量子論をわかりやすくする試み
Coecke(ケックとよむのかしら?)とKissingerのこの本が、抜群に面白い。"Picturing Quantum Processes" 「量子過程を絵解きする」 https://goo.gl/hmRkKy Google Booksが、珍しく、ほぼ全文を公開している。円高なので本を買おうと思ったのだが、ほとんど見えないところがないことがわかって、僕はこっちで間に合わせた。 https://goo.gl/nhrKrB とおもったら、見えたのは昨日読んだ最初の100ページほどだった。しょうがない。本を買った。 少し前に、「15歳の時の自分に向けて書いた」というTerry Rudolphの"Q is for Quantum" https://goo.gl/4ACBFm を紹介したのだが、ケックとキッシンジャーのこの本も、難しい数学を使わなくても、量子論は理解できるという立場に立った本だ。 ケックには「幼稚園の量子力学」"Kindergarten Quantum Mechanics" https://goo.gl/P4mGbn という論文がある。さすがに幼稚園児には無理かもしれないのだが、その論文から10年以上かけて初志貫徹で、直観的で誰にでも理解できる量子論の立派な「体系」を作り上げた。立派なものだ。 「量子過程を絵解きする」の副題に、"A First Course in Quantum Theory and Diagrammatic Reasoning" とあるのだが、彼の方法のポイントは、「絵解き Picturing」「図解による推論 Diagrammatic Reasoning」である。 数学もプログラミングも、キーボードで「一次元」に論理を組み立てていく。そうではなく「二次元」の図形で考えてみようよということだ。 というと、なんか怪しく感じる人もいるかもしれないが、数学的にはしっかりしたものだ。カテゴリー論のみんなが大好きな"string diagrams" そのものだ。(このstring diagramは、Super string理論のstringとは直接の関係はない。いろいろ「因縁」があるので、そのことについては