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3/29 マルレク「Surface code と Stabilizer 2」の講演ビデオと講演資料公開しました

【 3/29 マルレク「Surface code と Stabilizer 2」の講演ビデオと講演資料公開しました 】 丸山です。 3月末に開催した、「Surface code と Stabilizer 2」の講演ビデオと講演資料公開しました。 ご利用ください。 セミナーは3つのパートに分かれています。個別にも全体を通してもアクセスできます。 -------------------------- 全体を通して見る --------------------------  ●  「Surface code と Stabilizer 2」セミナーの講演ビデオ全体の再生リストのURLです。全体を通して再生することができます。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLQIrJ0f9gMcPUuKxOMX0dDHg2C5iXjlx9  ●  講演資料全体を一つのpdfファイルにまとめたものはこちらです。    「Surface code と Stabilizer 2」講演資料 https://drive.google.com/file/d/1ODWuqoEpu9Yi3giOXsD2zjbQCYLe5ba-/view?usp=sharing --------------------------  パートごとに見る --------------------------  ●  Part 1 Surface code Measure qubit    講演ビデオURL : https://www.youtube.com/watch?v=hdsiSrw6aGA&list=PLQIrJ0f9gMcPUuKxOMX0dDHg2C5iXjlx9&index=1&pp=gAQBiAQB    講演資料 pdf : https://drive.google.com/file/d/1OX6VQRBAhMy2iY4AJb-WOFmPGd9VTD3E/view?usp=sharing  ●   Part 2 Logical qubit と Logical operator     講演ビデオURL : https://www.youtube.com/watch?v=04uuqEw-aO0...

2/27 マルレク「Surface code と Stabilizer」講演ビデオと講演資料 公開情報

【 2/27 マルレク「Surface code と Stabilizer」講演ビデオと講演資料のURLです 】 丸山です。 2月のマルレク「Surface code と Stabilizer」の講演ビデオと講演資料を公開しました。 *** お詫び *** セミナーのまとめページとセミナー受講者に送った pdfのURLのリンクが、いつからか切れていました。今回、pdfのリンクを新しいものに貼り直しました。気がつくのが遅くてすみませんでした。 *** *** *** セミナーは3つのパートに分かれています。個別にも全体を通してもアクセスできます。 -------------------------- 全体を通して見る --------------------------  ●  「Surface code と Stabilizer」セミナーの講演ビデオ全体の再生リストのURLです。全体を通して再生することができます。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLQIrJ0f9gMcMGSYprVQZT7KaRCbas_ELe  ●  講演資料全体を一つのpdfファイルにまとめたものはこちらです。    「Surface code と Stabilizer」講演資料 https://drive.google.com/file/d/1AkvWOyq-b_lIzmp6FPr-YuzkEaHd6hZC/view?usp=sharing --------------------------  パートごとに見る --------------------------  ●  Part 1 量子エラー訂正技術の飛躍    講演ビデオURL : https://www.youtube.com/watch?v=vraIHMALeic&list=PLQIrJ0f9gMcMGSYprVQZT7KaRCbas_ELe    講演資料 pdf : https://drive.google.com/file/d/1DjlFZ1cbT9nr6shk8izn2eZ2MYPvsMSF/view?usp=sharing  ●  Part 2 量子回路の振る舞いを計算する     講演ビデオURL : https://www....

ディドロのオウム

【 ディドロのオウム −− 昔の話をしよう (3) 】 #DreamerV3 「もし、すべてに答えるオウムがいたなら、 私は迷わず、それは思考する存在だと言うだろう…」 "s'il se trouvait un perroquet qui répondît à tout, je prononcerais sans balancer que c'est un être pensant ..." この文章は、ドゥニ・ディドロの最初の個人著作であり、1746年に匿名で出版された『哲学思想』(Pensées philosophiques) に含まれています。この文章は『哲学思想』の「Pensée XX」(第20思想)に登場します。 https://fr.wikisource.org/wiki/Pens%C3%A9es_philosophiques/Pens%C3%A9es 【 この引用の文脈 】 『哲学思想』の第20思想において、この引用はディドロと無神論者との間の対話の中で、無神論者の発言として登場します。 無神論者は、思考する存在であることの確信を論じる中で、思考は表面的な行動や音(デカルトが思考能力を否定した動物もこれらを生成する)によって判断されるのではなく、「観念の連鎖、命題間の論理的帰結、そして推論の結合」によって判断されると主張します。 この文脈で、無神論者は「あらゆる質問に答えるオウム」という仮説的な例を挙げ、真の思考が論理的かつ首尾一貫した推論によって証明されることを強調しています。 【 外部からの観察可能性と 内部の論理的整合性の関係  】 この引用が提示する文脈は、単なる知性の定義を超え、思考の本質、特に外部からの観察可能性と内部の論理的整合性の関係という、哲学における根源的な問題を提起しています。 これは、現代の人工知能(AI)における「ブラックボックス問題」(内部プロセスを理解することと外部の振る舞いを評価することの対比)の中心的な議論に先行するものであり、単なる計算能力と真の知性の区別という微妙ながらも重要なニュアンスを含んでいます。 ディドロは、この対話を通じて、外部から観察可能な行動(応答能力)が、知性や思考の存在を判断するための主要な基準となりうることを示唆しました。 【 知性を「パフォーマンス」として...

DeepMindの三つのプロジェクト

【  DeepMindの三つのプロジェクト 】 このセッションでは、DeepMindによる近年の画期的なAI研究、特に汎用制御エージェント「DreamerV3」、数学的証明システム「AlphaGeometry」、そして科学的・アルゴリズム的発見コーディングエージェント「AlphaEvolve」の三つに焦点を当てて、その概要を見ていきたいと思います。  ● DreamerV3  ● AlphaGeometry  ● AlphaEvolve これらの研究は、異なるアプローチを取りながらも、AIのフロンティアを拡大するという共通のビジョンを追求しています。 【 三つのプロジェクトの概要 】 DreamerV3は、多様なタスクを単一の固定構成で習得する能力を示し、AIの汎用性における新たな地平を切り開きました AlphaGeometryは、神経言語モデルと記号的演繹エンジンを融合させ、オリンピックレベルの幾何学問題を解くことで、AIによる高度な数学的推論の可能性を実証しました。 AlphaEvolveは、大規模言語モデル(LLM)と進化的アルゴリズムを組み合わせ、新たなアルゴリズムを発見し、既存の計算システムを最適化することで、AIによる自律的な科学的発見と技術革新の時代の到来を予感させました。 三つのプロジェクトの詳しい紹介は、講演資料のpdf あるいは 動画を参照ください。 −−−−-−−−-−−−−-−−−−−−−−- セミナー申し込みページ https://deepmind.peatix.com/view blog page https://maruyama097.blogspot.com/2025/07/deepmind.html マルレク「AI とマインクラフトの世界」まとめページ  https://www.marulabo.net/docs/dreamerv3/ マルレク「AI とマインクラフトの世界」のショートムービーの再生リスト https://www.youtube.com/playlist?list=PLQIrJ0f9gMcNT-iHwnkWJ5379ztVAbatX ショートムービー「  DeepMindの三つのプロジェクト 」のpdf https://drive.google.com/file/d/1Llq9R-8LBhUrFv...

AI技術としてのDreamerV3

【 AI技術としてのDreamerV3 】 #DreamerV3 これまで、 DreamerV3 を、主要に、Minecraft でダイアモンド採掘もできる「ゲームをするAI」として紹介してきました。 このセッションでは、もう少し一般的な視点で、DreamerV3 を見てみようと思います。DreamerV3が、 AI技術としてどのような特徴を持っているかを整理することで、DeepMindのAI開発のビジョンの一端を知ることができると考えています。 【 DreamerV3の主要目的 】 人工知能(AI)研究における長年の課題の一つは、広範な応用分野にわたる多様なタスクを学習し解決できる汎用アルゴリズムの開発でした。 既存の強化学習(RL)アルゴリズムは、開発されたタスクと類似のタスクには容易に適用できるものの、新たな応用領域に合わせて設定するには、依然として人間の専門知識と多くの実験が必要とされました。 DreamerV3は、この課題に対処することを主要目的としています。 具体的には、単一の固定された設定で150以上の多様なタスクにおいて専門的な手法を凌駕する性能を発揮する汎用アルゴリズムの実現を目指しました 。 【 DreamerV3の手法の核心 】 DreamerV3の核心的な手法は、環境の「ワールドモデル」を学習することにあります。 このワールドモデルは、エージェントが潜在的な行動の結果を予測し、将来のシナリオを「想像」することで行動を改善することを可能にします。 システムは、並行して訓練される3つのニューラルネットワークで構成されます。 ワールドモデル: 感覚入力xt​をエンコーダ(enc)を用いて離散表現𝑧_𝑡 ​に符号化し、これらの表現の系列を予測する。入力はデコーダ(dec)によって(𝑥_𝑡 ) ̂として再構成され、表現を形成するのに役立ちます。具体的には、自己符号化を通じて感覚入力のコンパクトな表現を学習します。 クリティックネットワーク: 想像された各結果の価値を判断します。 アクターネットワーク: 最も価値の高い結果に到達するための行動を選択します。 【 DreamerV3の新規性 】 汎用性と固定ハイパーパラメータ: DreamerV3は、150以上の多様なタスクにおいて、単一の固定されたハイパーパラメータセットで専門的な手法を上回る性...

DreamerV3はEnder Dragon を倒せるか?

【 DreamerV3はEnder Dragon を倒せるか? 】 #DreamerV3 DreamerV3の作者は、マインクラフトでのダイアモンド集めの難しさについて、次のように語っています。 「人気ゲーム『Minecraft』で人間の手を借りずにダイヤモンドを収集することは、報酬が疎で探索が困難、かつ手続き的に生成されたオープンワールド環境における長い時間軸という特徴から、人工知能の重要なマイルストーンとして広く認識されています。 DreamerV3は、専門家によるデモやカリキュラムなしで、希薄な報酬からダイヤモンドを収集する最初のアルゴリズムであり、この課題解決に成功しました。動画では、3000万環境ステップ(プレイ時間17日)で収集した最初のダイヤモンドが紹介されています。」 【 DreamerV3は、 Ender Dragon を倒せるのか?】 ネットには、こんな期待の声があります。 「DreamerV3 は、Minecraft でダイヤモンドを収集する方法を完全に独学で習得した最初のアルゴリズムだ。これにより、強化学習の適用範囲がさらに拡大した。ネットユーザーたちが言うように、DreamerV3 はすでに成熟した汎用アルゴリズムだ。 次は、自分でモンスターをアップグレードして倒し、究極のボスであるEnder Dragonと戦う方法を学ぼう!」   https://hyper.ai/en/news/23036 Ender Dragonは、マインクラフトの世界のラスボスです。ゲームとしてマインクラフトを見れば、その最終目標は、Ender Dragon を倒すことです。 DreamerV3は素晴らしいという話をしてきたのですが、このセッションでは、「DreamerV3は、Ender Dragon を倒せるのか?」 という問題を考えてみようと思います。 ゲームに関心のない人には、どうでもいいことに思えるかもしれませんが。ただ、先のコメントには、DreamerV3の達成について、いくつかの誤解が含まれていると思います。 【 DreamerV3 は、「完全に独学」で ダイヤモンドを収集する方法を習得したのか? 】 問題は、DreamerV3 は、「完全に独学」でダイヤモンドを収集する方法を習得したのか? ということです。 DreamerV3の論文でもGitHubでも...

AIと「世界モデル」2

 【 AIと「世界モデル」2  −− 昔の話をしよう 】 このセッションでは、Rodney Brooks の 1987年の論文 “Intelligence without representation” を紹介します。 Rodney Brooks は、SHRDLUの「成功」以降のAI研究の「停滞」の原因を鋭く指摘し、新しいAI研究の道を示した重要なAI研究者です。 もっとも、彼の理論は、当時のAI研究の主流派に受け入れられた訳ではありませんでした。 ただ、彼の理論は、ロボット研究の理論と実践に広く深い影響を与え、その影響は今日も続いています。Brooksは、iRobot社の最高技術責任者で、ルンバの開発者です。 【 Intelligence without representation −− Abstract 】 その論文のAbstractで彼は、次のように述べます。 「人工知能の研究は、表現の問題で停滞している。 知能を段階的にアプローチし、知覚と行動を通じて現実世界とインターフェースすることに厳密に依存すると、表現への依存は消える。」 人工知能研究の停滞の原因は、「表現の問題」であるとされています。 「知能システムの根本的な分解は、相互に表現を介してインターフェースする必要がある独立した情報処理ユニットへの分解ではない。」 「代わりに、知能システムは、相互に特に多くのインターフェースを必要とせず、知覚と行動を通じて世界と直接インターフェースする独立した並列の活動生成ユニットに分解される。」 「中央システムと周辺システムの概念は消滅し、すべてが中央であり周辺でもある。」 こうした見方を、”Subsumption  Architecture” (“SA”と略されます)といいます。 【 "Use the world as its own model !" −− この論文のメッセージ 】 この論文に込めたBrooksのメッセージは、論文冒頭の Introduction に明確に示されています。 「我々は、このアプローチに従って、一連の自律移動ロボットを構築してきた。その結果、予想外の結論(C)に達し、かなり過激な仮説(H)を立てた。 (C) 非常に単純なレベルの知能を調べると、世界に関する明示的な表現やモデルは単に邪魔になるだけであることがわ...