画像を探す

Adam Brownの学会でのプレゼン "Complexity and Geometry" を探していたのだが、表紙に格好いい絵が使われていた。https://goo.gl/Zuyg7Z よく見ると、持っているものに(元々は、ハープだったらしい)量子回路の図が書いてあって、「あっ。すごいな。この絵も彼が書いたのかな。」と感心した。



ところが、この学会 Strings 2017 自体のアイコンに、この絵が使われていることに気づく。もちろん、量子回路は書かれていない。画像は、http://www.strings2017.org/ でみれる。「あれ? おかしいな?」と思って、画像検索をする。




そうしたら、見つかったのがこの写真。これは、1965年に、ガザで見つかった7世紀初頭のビザンチン時代のモザイクらしい。ダビデ王がハープを弾いているところだという。wikiにも、このモザイクが紹介されている。"Gaza Sinagogue" https://goo.gl/56LYzn


この学会、イスラエルのテルアビブで開かれた超弦理論の国際カンファレンスなので、この地の文化遺産からハープを選んだのは、まあ、わからなくもない。

ただ、二つの絵、よく似てはいるが、いろいろ細部は異なっている。だいたい、僕には、Adam Brownの表紙は女性に見える。ダビデ王は、ヒゲを蓄えているように見える。

問題は、学会のアイコンが発掘されたダビデのモザイクより、回路図を除けばBrownの表紙の方に似ているように見えること。

この三枚の絵は、どういう関係なんだろう?

----------

酒井さんの指摘もあって、こう考えることにしました。

・この絵は、3枚とも、ダビデのもので、少女ナウシカではないですね。元の絵は、発見された古いやつです。

・元のモザイクは断片で古いものだから、修復されて綺麗になった画像(あるいはモザイクそのものかもしれません)が、使えるようになっていたと思います。美少年だったダビデは、少女のようにも見えます。ヒゲはありません。

・大会の主催者は、この修復バージョンを使いました。もちろん、この絵がダビデのものであることを知っています。

・ブラウンは、大会のアイコンを見て茶目っ気を出します。ハープをゲート回路に書き換えます。

・(細かい話)僕は、回路の上に手があることが不思議だったのですが、手間をかけて白抜き(透明化)にすれば、重ね合わせることは可能です。)

・(細かい話)講演のビデオを見ると https://goo.gl/jpg6d2 、彼はパワポではなく、多分Keynoteを使っています。keynoteなら、頑張れば白抜きできますね。

・(蛇足)彼のプレゼン、よくできていますね。素晴らしい。ほとんど全員が、パワポかPDFそのままの中で、動きが綺麗でよく目立ちました。若い世代の感性が光ります。きっと根性入れて、画像改変したのだと思います。そういうの僕は好きです。

サスキンドは黒板好きだし、Wittenのスライドは、論文をそのまま書き出しただけだもんね。もっとも、大事なのは、発表の中身だけどね。







コメント

このブログの人気の投稿

マルレク・ネット「エントロピーと情報理論」公開しました。

初めにことばありき

宇宙の終わりと黒色矮星