がんばれボイジャー

【がんばれボイジャー】

今日は、大嘘ついてもいい日だが、大きな事実だけ述べてみようと思う。

♪ ボイジャーは太陽系外に飛び出した今も  
  秒速10何キロだっけ 今も旅を続けている ♪

人間が作ったもので、今、地球から一番遠くにあるものは、1977年に打ち上げられたボイジャー1号とボイジャー2号である。

2021年現在、ボイジャー1号は時速6万kmで飛行して、太陽から227億kmの距離にある。それは、太陽系を取り巻く引力圏のバブルを飛び出し、初めて恒星間の宇宙空間に到達している。ボイジャー2号(時速5.5万km, 太陽から189億km)も、太陽系のバブルの外縁に到達している。この図をみてほしい。https://voyager.jpl.nasa.gov/galleries/illustrations/#gallery-4

地球と太陽の間を光は8分少しで到達する。地球から、約227億kmという距離は、光のスピードでも18時間くらいかかる。ボイジャー1号は40年以上飛び続けて、とんでもなく遠いところに到達している。

この図をみると、「ボイジャーがんばれ!」と、つい応援したくなる。

この図では、太陽を核として、太陽系が長い尾を引いているように見える。それは、太陽系自体が天の川銀河の中心にある巨大なブラックホールのまわりを猛烈なスピードで周回しているからである。

ただ、ボイジャー1号は、恒星間の宇宙空間に入ったと述べたが、太陽に「近い」恒星は、実は、とても「遠い」のだ。

ボイジャー1号が最初に接近する恒星は、地球から17光年はなれたへびつかい座の恒星Gliese 445で、それまで4万年かかると言う。ボイジャー2号は、8.7光年と地球に一番近い恒星シリウスの方向を目指すのだが、そこに接近するまで、およそ29万6千年かかると言う。

多分、誰もボイジャーの「応援」を続けることはできないのだ。

太陽系が属する天の川銀河の中で、地球に「近い」恒星に限っても、それくらい「遠い」のだから、観測可能な範囲だけでも2000億個の銀河が存在する 宇宙は、気が遠くなるほど広大だ。

その上、宇宙を構成しているのは、目に見える2000億個の銀河だけではない。我々の目には見えないし、直接観測できないもの暗黒エネルギー(68%)と暗黒物質(27%)が宇宙の大部分を構成しているらしいのだ。我々が知る宇宙は、宇宙の残りの5%にすぎないという!

宇宙の広大さに、たとえ想像の上であっても思いをはせることは、意味のあることだと僕は考えている。



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