Regevが示したこと (3)

【 Regevが示したこと (3) -- LWE問題の古典論的還元 】

「ラティス暗号入門」のセミナーは、ひとまず終わりました。そこでは、「ラティスとは何か?」「LWE暗号とは何か?」について入門的な解説を行いました。

今回のセミナーの第三部では、「ラティスとラティス暗号」という章を設けていたのですが、時間の関係で、セミナーではほとんど語ることができませんでした。

入門講座という性格にもよるのですが、このセミナーでは、この分野で最も重要な貢献を果たしたRegevの仕事の紹介は、十分なものではありませんでした。その上、セミナーで主要に取り上げたのは、2005年のRegevの論文だけでした。

Regevはこの2005年の論文以降も、活発に活動を続け、暗号の世界に理論的に大きな影響を与えました。

ここでは、彼が2005年以降発表した論文から、次の三つのトピックを補足しようと思います。

● 2013年 LWE問題のラティス問題への古典論的還元
Regev et al., Classical Hardness of Learning with Errors , 2013

● 2015年 DGサンプリングとラティス問題の関係
Regev et al., Solving the Shortest Vector Problem in 2^n Time via Discrete Gaussian Sampling, 2015

● 最近の話題
Regev, Quantum Computation and Lattice Problems, 2018(<= 2003)

今回は、2013年の「LWE問題の古典論的還元」論文についてです。

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動画「LWE問題の古典論的還元」を公開しました。ご利用ください。

この動画のpdf は、こちらからアクセスできます。

「ラティス暗号入門」のまとめページはこちらです。https://www.marulabo.net/docs/cipher3/

blog:「Regev が示したこと (3) -- LWE問題の古典論的還元」https://maruyama097.blogspot.com/2022/10/regev-3.html


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