朽ち果てるものとサルのタイプライタ


アマゾンの密林に新車のBMWを置き、500年もすれば、鉄の塊になる。さらに500年放置すれば、鉄サビの山ができるだろう。鉄の形は、時間とともに変わるのだが、いくら待っても、それが元の新車のBMWに戻ることはない。

逆の考え方もある。
チンパンジーにタイプライターを叩かせる。ずっとやっていれば、"monkey"という単語を打ち出す可能性はある。もっともっとやり続ければ、シェクスピアの作品を打ち出す可能性だってあるはずだ。
写真は、「人々から置き去りにされ、さび付き朽ち果てた戦車や戦闘機などの写真集」から。こういうの好きな人がいるようだ。http://gigazine.net/news/20110526_remains_of_war/
「猿のタイピスト」については、日本語wikiの「無限の猿定理」https://goo.gl/3iM9V9 が、素晴らしいまとめになっている。是非、読んでほしい。僕は、ボルヘスの「完全な図書館」の話をしようと思っていたのだが、完全に負けた。特に、古代ギリシャの原子論に対する批判として、この議論が、すでにあったことは知らなかった。
どっちの見方が正しいのか?
実は、この矛盾する見方が、交わるところこそ、熱力学的なエントロピーと情報論的なエントロピーが交わるところになる。
9/28 マルレク「IT技術者のための情報理論入門 -- エントロピーと複雑さについて」https://goo.gl/DceUbG
こんなのもやります。
9/12 「アマゾン“Echo & Alexa”上陸直前! Aiボイス・アシスタント3時間集中講座」https://goo.gl/UedvRf

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