7/29 マルレク 「Yet Another AI -- RPAは「推論エンジン」の夢を見るか」の告知ページ公開しました


https://yet-another-ai.peatix.com/view

現在のAI技術の主流は、ディープラーニング技術なのですが、それ以外のもう一つのAI技術("Yet Another AI")として、論理的・数学的推論をコンピュータで行おうというAI技術の流れが存在します。今回は、そうした技術を取り上げます。

ディープラーニングは、生物のニューロンとそのネットワークをモデルにしています。視覚や聴覚・嗅覚といった生物の知覚のシステムを機械でシミュレートし、また、生物の全身の筋肉を連携させてバランスをとって運動する運動能力を機械・ロボットで実現するにはとても優れた技術です。

それは、生物との類似で言えば、蜜を求めて花を回るハチや、上空から獲物を見つけて急降下するハヤブサの、体内のニューラル・ネットワークの働きと同等のものを機械の上で実現しようという技術だと思っていいと思います。

ただ、人間には、そうした、ほとんど全ての生物に共通する感覚・運動能力とは別に、感覚と運動とをワンクッション置いて統合する機能があります。確かに、ハチも「迷う」かもしれないし、ハヤブサも「賢い」かもしれないのですが、人間は、知覚系の入力から条件反射的に運動系を動作させて行動するだけではありません。

人間は、考えます。考えることができることが、人間の知能の大きな特徴だと僕は考えています。

そうした人間の「考える」知能の中核は「推論」する能力にあります。もう少し、抽象的に言えば、人間は論理的・数学的に推論する能力を持っています。それは、「人工知能」技術の重要な対象だと僕は考えています。

ディープラーニング技術は、「推論」する人間をシミュレートできるでしょうか? 答えはおそらくノーです。

ドンキーカーでも自動運転するBMVでも、ディープラーニング技術はとても重要です。ただ、彼らに右側通行か左側通行かといった「交通法規」を覚えさせるのに、ディープラーニングは役立つでしょうか? 多分、もっと上位の層で、ルールを覚えさせることが必要になります。

ネットワークのセキュリティでも、異常検出にディープラーニング的アプローチは役に立ちます。ただ、異常らしきものを検出したとして、それにどう対応すべきかは、「自動化」「機械化」しようと思ったら、たくさんのルールの構築が必要になります。

「推論する機械」の可能性の問題は、意外と我々の身近なところに現れてきているように思います。それは、近未来の人工知能技術が解決していかなければならない課題の一つだと考えています。

コメント

このブログの人気の投稿

マルレク・ネット「エントロピーと情報理論」公開しました。

初めにことばありき

宇宙の終わりと黒色矮星