生命表

去年生まれたばかりの孫の「平均寿命」が80歳だというのに、僕の歳に「平均余命」を足すと85歳になる。
新しい世代の寿命はどんどん伸びているはずなのに、僕の方が、僕の孫より5年長生きする? なんかおかしい。
でも、少し考えたら、この5年の差に思い当たった。
僕から見れば、同じ世代の何人かはすでになくなっているということ。生き延びているだけラッキーなのかも。人生は悲しいものだ。
孫から見れば、これからの平均80年の人生、何が起きるかわからないということ。いのちを大事にするんだよ。人生は厳しいんだよ。

〜「命数知るべからず」
 「わたしが思い描く々の図というのは、オリュンポスの山でごろご
 しながら、甘美なの酒と食べ物に溺れ、骨と脂身を焼いた芳香に
 つつまれ、病気の猫にちょっかいを出す十歳の子の集団みたいに
 イタズラで、時間をもてあましている、というもの。
 「今日はどの祈りを聞き届けてやろうか?」と、顔を見あわせ、
 「サイコロをふって決めよう!こいつには希望を、あいつには絶望を。
 でもって、こうして仕事をしている間にも、あの女の人生を
 めちゃくちゃにしてやれ。ザリガニに化けて彼女とセックスしてさ!」
 々は退屈まぎれに、山ほど悪さをしているに違いない。

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