Daniel Harlow

ダニエル・ハーローは、少しジム・キャリーに似ているイケメン物理学者である。

5月の連休に配信元のトラブルで、彼のビデオの一部が見れなかったので、セミナーがひとつ終わったこの土日、彼のレクチャーを6~7本ほどをYoutubeでまとめて観た。面白かった。

AMPSパラドックス(ブラックホールの情報問題の難問)を「量子複雑性」の理論で解決し、現在の物理学の中心的なスキーマであるAdS/CFT対応の解釈に「量子エラー訂正理論」を持ち込み、量子重力ではこれまでの物理のアイデアの支柱だった「対称性」が破れることを示すなど活躍が続いている。

彼のアプローチの特徴は、物理学に情報の理論を持ち込むこと。写真は、2年前のスタンフォードでのComplex Workshopの一コマ。テーマは、"Hardware+Software in Physics" 彼らしい問題意識だ。http://bit.ly/2WWZyUz 

2-30人ほどの小さな規模のワークショップだが、彼のセッションには、サスキンド、マルデセナ、アーロンソンが参加していた。すごい。(僕は、Youtubeで彼らの顔はよく知っているのだ。)

arXivのおかげで、図書館がなくてもあまり困らなくなったのだが、Youtubeのおかげで学会に行かなくてもよくなっている。(ちょっと極論かもしれないが、物理に関しては、この数年のビデオ配信の広がりは目をみはるほどだ。)

これまでは、論文を読むしかなかったのだが、最近、僕は、論文読む前に、著者とテーマでビデオを探す。そのあとで論文を読む。そっちの方がずっと効率的に学べる。

いい時代になったものだ。

(二日だけ自由な時間をとったのだが。また、セミナーの準備に戻らないと)

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