ショートムービー「宇宙を旅する光子の物語」公開しました

 【 ショートムービー「宇宙を旅する光子の物語」公開しました】

7月17日開催 マルレク 楽しい科学「宇宙と生命と知性とエントロピー」に向けたショートムービー第四弾「宇宙を旅する光子の物語」公開しました。お楽しみください。https://youtu.be/1mSSlal1gOQ?list=PLQIrJ0f9gMcPgRVThfw4w9WeDcdlweIV3

宇宙を旅するのは、光子(こうし)で、光子(みつこ)さんではありません。今回は、宇宙の至る所に偏在する光の話です。

我々に一番身近な光は、太陽が地球に降り注ぐ光です。

宇宙から見た地球は、青く美しい星ですが、地球が発する光は、基本的には、太陽の発する光の反射です。宇宙は、星々を除けば、ほとんど暗黒です。地球の近くでは、宇宙の暗黒の一点を、光り輝く太陽が占めています。それには、我々にとって大事な意味があります。

もしも、太陽と地球のシステムが、高エントロピーの「熱的平衡状態」にあったとすれば、地球上の生命は、太陽のエネルギーから、生命に役立つエネルギーを汲み出すことはできなくなります。

そのことをシュレジンガーは、「生物は、(熱的)平衡への衰退を回避している」と表現しました。生命現象を、エントロピーの関係で特徴づけたのは、彼が初めてです。慧眼です。

地球に降り注ぐ太陽からの光について述べましたが、太陽は宇宙に存在する無数の恒星の一つに過ぎません。その恒星系に生命が存在すると否とにかかわらず、恒星は、無数の光子を宇宙に送り出しています。

宇宙には、無数の光が飛び交っています。ビッグバンの直後に生みだされた光子を観測したものが、「宇宙マイクロ波輻射」です。137億年前に発せられた光を、我々は、目にしているのです。

宇宙の遠い未来(10^99年後)に、ブラックホールがホーキング輻射で蒸発するというのですが、ブラックホールからは光子が飛び出して、それは光に変わるのです。

以前に、「宇宙が終わるまでには、途方もない時間がかかる」と書きました。人間にとっては、ほとんど「永遠」といって時間がかかります。また、それは耐えられないほど「退屈」だろうとも書きました。

ただ、それは人間にとっての話です。光速で運動する光子にとっては、宇宙の終わりまでの様子は、全く変わったものになります。

宇宙を旅する光子は、何億光年の空間を移動しようと、全く時間を感じません。もちろん、退屈することもありません。

pdfの資料は、次のページからアクセスできます。https://www.marulabo.net/docs/science-entropy/

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