誰が証明を行っているのか?
【 誰が証明を行っているのか?】
前回は、Open-AI Theorem Proverがどのような問題を解いているのかを紹介しました。ただ、ある数学の問題が与えられた時、Open-AI Theorem Proverがどのような答えを返すのかは紹介していませんでした。
前回紹介したのは、(自然言語で)普通に与えられた問題を、(数学の言葉で)普通に解いてみただけです。Open-AI Theorem Proverは、これとは違ったスタイルで、数学の問題を解きます。
まず、自然言語で与えられた数学の問題を形式的な数学的な言語に翻訳します。これは、Sequence to Sequence の変換で、ニューラル・ネットワークにとっては楽勝です。数学の問題は、語彙は専門的ですが数は少なく、文法的にも単純です。シェイクスピアは読めなくても、数学の論文なら読める人は沢山います。
次に、Open-AI Theorem Proverは、こうして形式化された問題を、形式的に証明しようとします。そこで、証明支援の言語 Lean が登場します。Open-AI Theorem Proverは、Leanで形式化された問題としてLeanで問題を証明しようとします。そしてLeanでの証明が成功すれば、それを返します。
「これが、問題のこたえです。」
Leanは、pCIC(Predicative Calculus of Inductive Constructions)に基づいています。その意味では、LeanはCoqの兄弟言語です。Leanについては、章をあらためて紹介しようと思います。
今回は、前回紹介した問題に対する、Open-AI Theorem Proverの答え、すなわち、Leanによるその証明を紹介します。今回は、そこまでです。
ただ、次のような問題を考えてみましょう。
「証明問題を解いているのは、
ニューラル・ネットワーク gpt-Xなの?
それとも Lean なの?」
これは、なかなか面白い問題です。残念ながら、長くなりそうなので、別の機会に。
【「Open-AI Theorem Proverが行う証明」を公開しました 】
https://youtu.be/BAvCsZFGQKQ?list=PLQIrJ0f9gMcPP8LOejaQQlYufAMEQbcdg
スライドのpdfは、こちらからアクセスできます。
https://drive.google.com/file/d/1rWvDf3-k1E6nwBdYUiRSB1Q7Jz6lPCV8/view?usp=sharing
このトピックのまとめページは、こちらです。ほぼ毎日更新されると思います。https://www.marulabo.net/docs/math-proof/
セミナーへのお申し込みは、こちらからお願いします。
https://math-proof.peatix.com/
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