マルゼミ「量子情報と通信技術」講演ビデオの公開

【 「量子インターネットという未来」講演ビデオ公開します 】 

MaruLaboでは、以前に行われたセミナーの講演ビデオを無償で公開しています。

今回は、4月30日に行われたマルゼミ「量子情報と通信技術 -- 量子インターネットという未来」の講演ビデオの公開です。ご利用ください。

インターネットの未来については、現在、さまざまな議論があります。ただ、インターネットの「世代」は、たかだか 20年か30年で変わっていくものです。さらにその先を見据えることは可能なのではないかと考えています。

このセミナーは、21世紀は量子の時代になるという基本的な時代認識から、「量子インターネット」という未来から、現在の技術的到達点を振り返ったものです。

このセミナーのコンテンツ自体とは独立なのですが、このセミナーでは量子の時代の新しい技術を展望する上で、実践的に重要と思われる留意点を二つ述べています。

一つは、量子理論のIT技術への応用は、いわゆる「量子コンピュータ」に限られるものではないということです。このセミナーで取り上げた「量子ネットワーク」は、量子理論のIT技術への応用のもう一つの重要な領域です。

そのことは、現代のIT技術の到達点は、もっぱらコンピュータ技術の進化で説明できるわけではないことを考えればわかります。重要な変化は、クラウドにしろスマートフォンにしろ、サイズの異なる無数のコンピュータが、グローバルに高速のネットワークで結合されたことです。そこで技術の様相が大きく変わりました。ネットワーク技術は本質的に重要です。

もう一つ留意すべきことがあります。

少なくない熱心なIT技術者が、量子理論のIT技術への応用ということで、「量子力学」の勉強を始めています。それ自体は悪いことではないかもしれません。

ただ、「量子力学」は量子論の「力学」への応用です。コンピュータもネットワークも直接には「力学」の対象ではありません。学ぶべき主要なターゲットは、量子論を「情報理論」に適用した「量子情報理論」です。

量子力学と量子情報理論が異なるものであることは、かつて量子力学の領域で「エンタングルメント」が発見されてから、そのもっとも重要な量子情報論的応用である「量子テレポーテーション」が発見されるまで、60年かかったことを考えればわかります。普通に量子力学を 50年勉強していても、量子テレポーテーションには辿りつきません。

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このセミナ-ーの参考資料・ショートムービーは、MaruLaboのサイト https://www.marulabo.net/docs/q-net/ からアクセスできます。

講演資料は、次のURLからダウンロードできます。

https://drive.google.com/file/d/1HD3kchrMngfVAWq94E7ZOxF9MISwX69P/view?usp=sharing

以下がセミナーの講演ビデオの再生リストです。

https://youtu.be/BWRb0u9yvDQ?list=PLQIrJ0f9gMcMDSo364KiVzL_iUe3FCAKi

この「量子情報と通信技術」の再生リストは、次の三つのビデオから構成されています。

 ●  第1部 量子キー配布 BB84

https://youtu.be/BWRb0u9yvDQ?list=PLQIrJ0f9gMcMDSo364KiVzL_iUe3FCAKi

 ●  第2部 量子テレポーテーション

https://youtu.be/s-tgw9NChng?list=PLQIrJ0f9gMcMDSo364KiVzL_iUe3FCAKi

 ●  第3部 量子通信の技術的基礎

https://youtu.be/zYliAn5TiiQ?list=PLQIrJ0f9gMcMDSo364KiVzL_iUe3FCAKi


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