Shorのアルゴリズムの秘密の秘密

【 Shorのアルゴリズムの秘密の秘密 】

Shorのアルゴリズムは幸運だった。それは、量子アルゴリズムの古典アルゴリズムに対するに対する勝利の金字塔となった。 

不幸だったのは暗号陣営である。実際には、できてもいない技術に、強烈な逆風にさらされることになる。

それでは、このphaseの変化から2^n個の情報を取り出すというShorのアルゴリズムの方法は、どんな問題に対しても有効なのだろうか?

もしもそうだとしたら、量子コンピューターは普通のコンピューターに対して、どんな問題に対しても2^n倍の高速化を可能にすることになる。

残念ながら、そうはうまくいかないのだ。

量子アルゴリズムの専門家たちは、量子コンピュータによる高速化が可能になる問題には、あるパターンがあることに気づく。

その意味は、おいおい説明していくので、当面は意味不明と思うが、彼らが見つけ出した、パターンは、次のようなものだった。

 「有限アーベル群のHidden Subgroup Problemは
  量子コンピューターで高速化可能である。」

先の投稿で、Shorのアルゴリズムの高速性という秘密について触れたのだが、Shorのアルゴリズムには、その裏にさらに秘密があったのだ。

すなわち、Shorのアルゴリズムが、高速なのは、それがこのパターンに当てはまるからであるという秘密が。

別の言い方をすると、Shorのアルゴリズムは、このパターンに属する問題に対する特殊なアルゴリズムで、量子コンピューターの一般的な能力を代表するものではないということになる。

次の投稿で、Hidden Subgroup Problemとはどんな問題なのかを、簡単に説明しようと思う。

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