Kripkeの「可能的世界」 3 --「可能的世界」へのジャンプ

【 Kripkeの「可能的世界」 3  --「可能的世界へのジャンプ」 公開しました 】

11/26 マルゼミ「認識について考える 2 -- 認識の認識 –」の第二部「認識の発展のモデル」のショートムービーです。ご利用ください。

https://youtu.be/b7NkAWtDGAM?list=PLQIrJ0f9gMcPmqWCIYjND28DLB9SwQ_eX

スライドは、https://drive.google.com/file/d/1QUiHDNy7y5U9IA-VQoCYQZpjVuBNioA8/view?usp=sharing からアクセスできます。

【 可能的世界へのジャンプ 】

世界間の関係と、それぞれの世界が持つ情報が与えられているとします。この時、世界から世界へ、我々がジャンプした時、何が起きるかをみてみましょう。

G 一我々の現在の世界一では我々はPを情報として持っていたとします。

我々がそれに満足するなら、何も別の世界にジャンプする必要はありません。ジャンプをしないという選択もあり得ます。我々の知るすべてのことによっても,何も新しい情報が我々にもたらされないなら,我々は,いくらでも長いあいだじっとGにとどまるかもしれません。

世界の情報がPだけだというのに我慢できず、思い切って世界Gから可能的世界H2にジャンプしたとします。世界H2 では,Pに加えて新しくQの情報を我々は得ることができました。

世界H2には、可能的世界H3がありました。新しい情報をえようとH2からH3にジャンプしたのですが、そこにある情報はPとQで、H2にあった情報と同じままでした。

残念なことに、この世界では、ジャンプ元のH2に戻ることは許されていません。もうひとつ残念なことは、世界H3には、それ以上ジャンプ可能な世界はありませんでした。G -> H2 -> H3 という経路でジャンプを選択したならば、我々は、この世界H3にとどまるしかありません。

それでは、世界H2は世界H3と同じ世界でしょうか? 確かに、その世界が持つ情報  P, Q に関して言えば、世界H2と世界H3は同じ世界です。

ただ、もし、H2にH3とは異なる可能的世界H4が存在して、H4にジャンプすれば情報 Rが得られるとすると事情は変わります。

なぜなら、世界H2は、今は情報 P, Qしか持っていないのという点でH3と同じだとしても、いつかH4にジャンプして情報 P, Q, Rを獲得する「可能性がある」世界なのです。

それに対して世界H3では、情報 P, Q, Rを獲得する可能性は閉されています。我々は、いつまでも情報 P, Qの世界にとどまり続けます。

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