バエズが証明したこと

【 バエズが証明したこと 】

シャノン・エントロピー上で定義された「情報の損失」Loss を、バエズが一般化した関数Fは、次のような条件を満たすものとされました。

 1.  𝐹( 𝑓∘𝑔 ) = 𝐹(𝑓) + 𝐹(𝑔)
 2.  𝐹(𝜆𝑓 + (1−𝜆)𝑔) = 𝜆𝐹(𝑓) + (1−𝜆)𝐹(𝑔)
 3.  𝐹は、連続的である

彼は、次のことを示しました。

三つの条件を𝐹が満たすとき、全ての測度を保存する関数 𝑓 : (𝑋,𝑝) → (𝑌,𝑞)  に対して、次の式を満たす定数 𝑐≥ 0 が存在することを示すことができる。
  𝐹(𝑓) = 𝑐𝐿𝑜𝑠𝑠(𝑓) = 𝑐(𝑆(𝑝) − 𝑆(𝑞))
ここに、S はシャノン・エントロピーである。

この定理から、彼は、シャノン・エントロピーの式を導きます。

Shannon、Faddeev - Leinster 、Baez のシャノン・エントロピーの根拠の探求は、それぞれ、とても興味深いものです。ただ、バエズのそれは、以前のそれらと比べると、出色のものです。

次回は、バエズのエントロピー論の意義を述べてみたいと思います。

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