類似度行列とマグニチュード論
【 類似度行列とマグニチュード論 】
前回のセッションで、次のレンスターの生物多様性の定義の式を、その三つのパラメータ 確率分布pとq-パラメータと類似度行列Zに注目して読み始めました。
ただ、前回は pとq の話で終わっていました。前回は、基本的には、これまで提案されたさまざまな「多様性の指標」を、qを変化させることで、一つの式でカバーできるのことを見てきました。
レンスターが先の形での生物多様性の定義を初めて提案したのは、 “Measuring diversity: the importance of species similarity” というタイトルの論文ででした。
レンスターの生物多様性の定義のポイントは、種の類似度の重要性への注目です。それは、生物多様性の定義への類似度行列Zの導入として表現されています。
今回のセッションでは、まず、この類似度行列Zが、生物多様性の議論の中で、すなわち、生態学の文脈では、どのように定義できるのかを、具体的な例で見ていきたいと思います。
今回のセッションでは、レンスターの生物多様性の定義式が、類似度行列Zを用いてどのように導出されるのかを基本的な流れを紹介しようと思います。
また、今回のセッションでは、こうして導出されたレンスターの生物多様性の式が、どのような性質を持つのかを紹介していきます。
【 生物多様性の理論とマグニチュード論を結びつけるもの 】
重要なことは、レンスターの生物多様性の理論と彼のマグニチュード論を結びつけるものが、この生物多様性論への類似度行列Zの導入だと考えられることです。
レンスターのマグニチュード論の最初の論文は、2006年の”The Euler characteristic of a category”https://arxiv.org/pdf/math/0610260 です。
今回のセミナーでも、オイラー標数の紹介をしてきました。そのすぐあとでレンスターのこの2006年の論文を紹介しても良かったのですが(そう予告もしていました)、少し回り道をしています。
認識の内的発展と、その成果の理論的記述の時間軸は、必ずしも一致するわけではありません。
今回のセッションでは、後半でレンスターの生物多様性が、類似度行列Zのマグニチュードに他ならないことを紹介したいと思います。
説明抜きに結論だけ先取りすると、次のことがいえるのです。
「生物多様性は、類似度行列 𝑍_𝐵のマグニチュードに等しい」
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blog 「類似度行列とマグニチュード論 」
https://maruyama097.blogspot.com/2025/09/blog-post_21.html
スライド「類似度行列とマグニチュード論」のpdf ファイル
https://drive.google.com/file/d/1_gpl8IJcMFttOJ_czc1N8PPNp-qokQ_w/view?usp=sharing
セミナーに向けたショートムービーの再生リスト
ショートムービー「類似度行列とマグニチュード論」
https://youtu.be/hjG8YeTMgyM?list=PLQIrJ0f9gMcPmPimhgAIUUh98fyLSM6iB
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