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洪水の予測

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大雨でたくさんの方が命を失った。痛ましいことだ。 気象庁と国土交通省のサイトを見ているのだが、国土交通省のサイトの「災害・渇水情報」のページは、アクセスが多いのか繋がらなくなっている。 河川の氾濫の予想についていくつか気が付いたことがある。 土砂崩れとかの予想とは別に、河川の氾濫については、現在の観測技術で、ある程度の予測はできると思っている。 川があふれるということは、川には、容量があって、それには限界があると言うこと。 単純に言うと、川に流れ込んだ水量から、川から流れ出る水量を引いたものが、川の容量を超えた時、一番弱いところから川はあふれる。 ある川に流れ込む水量は、アメダス等の観測データから予測できる。 気象庁の「雨量」の単位は、一つの地点の時間当たりの雨の量を「長さ mm」で表したもの。ただ、雨は、一つの「点」に降るわけではなく、広がりを持って、「面」状に降る。今回のようなケースでは、巨大な「体積」の水の塊が、地上に落ちてくるというイメージの方がいいのかもしれない。 洪水予報で重要なのは、各地点の「雨量」ではなく、ある河川にどれだけの水が流れ込むのかと言うこと。ただ、ある地点に降った雨は、必ず一つのある河川に流れ込むはずだから、アメダス等の観測データから、ある河川に流れ込む水の総量は、予想できるはず。(時間当たりの「長さ」が単位の「雨量」ではなく、時間あたりの水の「体積」だ) 一方、川から流れ出る水量についても、予測可能である。大まかに言って、川の「水位」と「流速」で概算できるはずだ。 国土交通省のページ参照できなかったので、確認できていないのだが、確か「水位」しか測ってないような気がする。ただ、「水位」だけだと、ある河川から流れ出る水の時間当たりの総量は、計算できない。 今回のケースのような場合、気象庁が各地の雨量を観測し、国土交通省が各河川の水位を観測しているだけでは、不十分なのだ。気象庁が、各河川への総流入量を、国土交通省が各河川からの総流出量を観測するのが、洪水予想の基本だと思う。その先にも、色々あるのだが。 電気回路のように単純なモデルなので、あるいは、もうできているのかもしれない。僕の杞憂であることを願う。 矢野 哲治   気象庁は