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誕生日

今日で70歳になります。seventyです。よく似ていますが、seventeenではありません。 いつも誕生日のたびに、ふざけた文章を投稿していたのですが、今年からやめることにしました。ちょっと周回遅れかもしれませんが、今年の目標は、「大人」になることです。 近況です。 これまで遊んでいながらでもできたことが、できなくなっているのを感じます。トップ・ランカーだった「キャンディー・クラッシュ」やめました。かわりに「数独」はじめました。 AlexaでSpotifyが呼べないので困っています。Google Play MusicやNMLナクソスは、最初から諦めていたのですが、Spotfyがダメだとは思っていませんでした。手動で「グローバル・ヒット Top 50 」聞いています 年相応に、健康に留意しなければいけないと思って、電子タバコに変えてみたのですが、電子タバコも無害ではないと言う記事を読み、電子タバコやめました。 マルレク+MaruLaboの「量子機械学習」系の活動の他に、次のようなことができればと思っています。 ・「知識表現と意味理解」研究会みたいなのを作りたいと思っています。本当は、一緒に「認知と推論メカニズム」といった研究会もあればいいと思っているのですが。 ・「数学」あるいは「数学の哲学」について語る場を作りたいのです。当面、単発の企画から始めようかと思っています。 ・可能であれば、才能のある若い人たちをエンカレッジする活動ができればと思っています。(「エンカレッジする」と言っている僕には、相変わらず、「お金」にも「権威」にも縁がないのですが。) 「大人」になった丸山、今年も、生暖かく見守ってください。

”Quantum machine learning" (2017年9月のNature論文)

先に、「Seth Lloydらの”Quantum machine learning" (2017年9月のNatureの論文)が良いまとめになっている。この論文は、有料だが、arXivで無料で読める。 https://goo.gl/4Ngk1A  」と書いたのだが、どうも間違いだった。Nature誌の論文、手に入れていて気がついた。(ごめんなさい) 確かに、全く同名の、同じ著者による、近い時期に発表された論文なのだが、この二つは、別のものだ。(Natureに採録されるのに、pre-printとはいえ、同じ論文の投稿はまずいのかも。学会誌なら平気だと思うけど。) ただ、Nature誌の論文の方が、面白いかも。(格調が高いと言うか、包括的と言うか、わかりやすいというか。)こんな書き出しで始まる。 ------ 我々がコンピュータを持つずっと以前から、人間はデータの中にパターンを見い出すために努力してきた。 プトレマイオスは、惑星の逆行運動を説明するために複雑な周転円をつかって、星々の運動の観測記録を宇宙の地球中心のモデルに適合させた。16世紀には、ケプラーが、コペルニクスとティコ・ブラーエのデータを分析して、太陽を楕円の焦点の一つとする、それ以前には隠されていた楕円軌道を明らかにする。 このようなパターンを明らかにするための天文データの分析は、線形方程式の解法(ニュートン - ガウス)、勾配降下法(ニュートン)・多項式補間(ラグランジェ)・最小二乗法(ラプラス)を通じた最適値の学習といった数学的テクニックを生み出した。 ------ こうした歴史的視点は、重要だと思う。 新しい数学的な手法の開発なしには、データから特徴的なパターンを抽出することは難しかったと言うこと。 ガリレオ、ケプラーからニュートンに至る、いわゆる「科学革命」の時代は、文字通り科学の大変革期だった。科学革命の完成者としてのニュートンは、物理学だけではなく、数学にも革命をもたらした。(ライプニッツとの微積分学の「発見」をめぐる論争は、副次的だとおもう。) 「ビッグ・データ」と言うのは、データについての「量的な規定」に過ぎない。抽出されるべきfeature と言うのは、データの「質的な規定」だ。「データ・サイエンス」と言うけど、データは、いつも変わらず「データ」

物理学と人工知能技術 -- Tensor Network の機械学習への応用

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アボガドロ定数 6.022 x 10^23は、1モルの物質の中に含まれる原子・分子の数で、物質によらず一定である。(1モルの定義は、今は、炭素12 12gをさすらしい。知らなかった) 一兆が、10^12だから、10g程度の小さな物質でも、一兆の一兆倍近い膨大な数の原子からなることになる。 プランク定数 6.626 × 10^(-34) は、光子のもつエネルギーと振動数の比例関係をあらわす比例定数である。こちらは、10のマイナス34乗のオーダーなので、めちゃくちゃ小さい。 アボガドロ定数の「大きさ」とプランク定数の「小ささ」は、我々が日常的に目にする「マクロ」な世界と、物質の基本的な運動を規定している「ミクロ」な量子の世界とは、隔絶といっていいほどのスケールの差があることを示している。 ただ、ミクロの世界とマクロな世界は、全く切り離されているわけではない。時には、ミクロな量子の振る舞いが、日常的なレベルで観察できる、奇妙な振る舞いを引き起こすことがある。 例えば、液体ヘリウムは、超低温状態で超電導・超流動の性質を示す。このことは、バーディーン、クーパー、シュリーファーのBCS理論で、電子等のフェルミ粒子が、凝縮してボース粒子の性質を示す(一つの系で、複数の粒子が同一の状態を示す)ことで説明される。凝縮系物性論は、こうした物質の新しい相を研究する。 現在でも、超電導技術は、リニア新幹線や医療でのMRIのように広く利用され、また、量子コンピュータでも基本的な要素技術として利用される。凝縮系物性論は、テクノロジーを大きく変える可能性を持つ、チャレンジングな分野である。ただ、現在では、高温超電導のような現象を、理論的に説明することはできない。 凝縮系物性論のターゲットとする領域を、「量子多体系」と呼ぶことがある。多体系の量子論的状態を明らかにするためには、粒子の数Nに対応して、(状態の数)^N の複雑な方程式をヒルベルト空間上で解く必要がある。 量子力学の誕生期のターゲットは、陽子一個、電子一個の水素原子から始まったわけだが、それとは、全然複雑さが違う。 N=10^23 (1モル程度と言うこと)だとしても、状態の数がたとえ10だとしても、その複雑さは、10^(10^23)にもなる。宇宙の素粒子の数が、10^90程度だというから、これを解くの

MaruLabo理事会あとの懇親会

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MaruLabo理事会あとの懇親会。老若男女。 斎藤くん、古川くんは、とても優秀です。
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今日は、10年前に一緒にコミュニティを作った友達と一緒です。 浦本  さんは「Cloud研究会」の事務局長、 Noritsuna  さんは「日本Androidの会」の事務局長。クラウドにしろAndroidにしろ、立ち上がりの時期のコミュニティは、楽しかったです。 昔、皆と一緒にカラオケに行った時、この二人、同時に同じ曲を選曲するというハプニングが。それ以来、ジムキョクチョーズのテーマソングは、爆風スランプの「大きな玉ねぎのした」です。 今日も「玉ねぎ」歌いました。この曲、若い男が女にダマされるという歌ですね。丸山が、「ダマされてる、ダマされてる」と合いの手を入れ、二人が悲しい曲を熱唱。 浦本さん、ノリツナさん、タイプ違うところあるけど、二人は「純情」な人だと思います。

量子機械学習について

このところ、量子コンピュータ(アニーリング型)をディープラーニングに応用しようという動きが、「再び」、活発になっているように思う。 Seth Lloydらの”Quantum machine learning" (2017年9月のNatureの論文)が良いまとめになっている。この論文は、有料だが、arXivで無料で読める。 https://goo.gl/4Ngk1A 機会があれば、いつか紹介したいと思っている。 以前に紹介した、Preskillの "Quantum Computing in the NISQ era and beyond"  https://arxiv.org/pdf/1801.00862.pdf でも、このトピックは、キチンと取り上げられている。"6.5 Quantum deep learning"(まだ、翻訳していなかった。ごめんなさい。) 「再び」といったのは、もともと、アニーリング型の量子コンピュータへの注目は、ディープラーニングへの応用ができるのではという期待でドライブされていたからである。 2013年にGoogleとNASAがD-Wave-2のマシンを購入して共同で作った研究所は、"Quantum Artificial Intelligence Lab" 「量子人工知能研究所」だった。 (ロッキードが D-Waveのマシンを買ったのは、それより早い、2011年のことだ。) ちょうど、2012年に、爆発的なディープラーニング・ブームが起きた時期に、重なっている。ただ、華々しくスタートしたものの、「量子人工知能研究所」は、必ずしも、華々しい成果をあげたわけではないと思う。 それには、理由があった。 一つには、AaronsonやVarizaniといった、量子コンピュータ界の「切れ者」が、一斉に、D-Wave批判を展開し、激しい論争が起きたからである。「理論的」には、AaronsonやVarizani にかなうわけもなく、D-Wave側は防戦一方だったと思う。 (僕は、アーロンソンのファンなので、彼のことは、よく紹介している。バリザーニも大好きで、「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論」というのは、彼の講義のスタイルを踏襲したものだ。) この論争は、

稚内、陸の孤島に

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昔の同僚のtweetから。今年の冬は、稚内にしても、なんかおかしい。 「稚内中心部は陸の孤島になりました。けっこう久しぶり、なはず。」 札幌がこうなったら、きっと全国ニュースになるのにね。