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1/15マルレク「ボイス・アシスタントから見るAIの未来」

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告知ページ: https://peatix.com/event/333453/ 講演概要: 2018年は、コンシューマの世界で、Amazon Echo, Google Home 等の「ボイス・アシスタント」の本格的でグローバルな普及が始まった年として、歴史に残る年になると思います。 丸山は、コンシューマ向けの初めてのAIアプライアンスとしてのボイス・アシスタントの普及は、AIの未来を展望する上で、とても重要なステップになるだろうと考えています。 そのことは、現在のボイス・アシスタント技術が完成したAI技術であることを、少しも意味しません。現状は、むしろ、その逆です。 ただ、コンシューマ市場での激しい競争が、現在の技術のいくつかの問題の解決に向けた進化の、大きな淘汰圧として作用するだろうことを期待しています。 講演では、前半で、Amazon Echo, Google Homeの特徴を、そのAPIを通じて概観します。 後半では、ポスト・ディープラーニングのAI技術の主要な課題である、「知識表現とその利用」「言語の意味理解」の二つにフォーカスして、現状と課題を考えます。 AI技術は、2012年から始まったディープ・ラーニング中心の時期を超えて、新しい発展段階に突入しようとしています。この変化の中心的な担い手が、ボイス・アシスタントです。ボイス・アシスタント技術は、AIが向かう未来のパーソナル・アシスタンス・システムの先駆として、これからも、AI技術の中核として発展していくと考えています。   ------------------------ 1/15 マルレク開催概要 ------------------------ 日時:2018年1月15日 19:00-21:00 場所:日本マイクロソフト本社(品川) テーマ:「ボイス・アシスタントから見るAIの未来」 年末・年始の休日をはさんでおりますので、申し込みの期間設定、いつもと異なります。後日、詳細をお伝えします。

女性ハッカーは存在するか?

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第二次大戦中、イギリスではチューリングが、アメリカではファインマンが、暗号解読の仕事をしていたことはよく知られている。多分、当時最強のハッカーの双璧だったと思う。 話は変わるが、ドラマの世界では、「パーソン・オブ・インタレスト」のルートや、「エージェント・オブ・シールド」のスカイや、「アロー」のフェリシィ といった、美人の女性ハッカーが大活躍する。 「本当に、すご腕の女性ハッカーというのは存在するのか?」 という疑問が、僕のこの間の「知りたいこと」リストのかなり上位にランクインしていたのだが、なんか、その答えがわかったような気がする。 答えは、イエスで、しかも、沢山存在していたのだ! Liza Mundyの"Code Girl"   https://goo.gl/pxZUMF   は、第二次大戦中に、アメリカは、ワシントン郊外に数千人の優秀な女性を集めて、暗号解読の仕事に従事させていたことを、初めて明らかにした。(Kindle版、ポチった。) この本の副題、「The Untold Story of the American Women Code Breakers of World War II 」にあるように、この事実は、今まで、アメリカでも知られてなかったようだ。 兄弟や恋人が戦場で武器を取って戦っている時に、彼女たちは、暗号解読を通じて、戦争の勝利に貢献したということ。その中には、人並み外れて、優れた才能を発揮した女性もいた。 冒頭、日本軍の真珠湾攻撃の状況を知らせる手紙が引用されている。彼女らの仕事が、日本の暗号解読にも向けられていたことを知り、少し、複雑な気持ちになる。チューリングがナチスのEnigmaを破った話には、喝采したのにね。

Quantum Simulator ; Monroe and Lukin

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11月29日付のNature誌に量子コンピュータに関係する二つの論文が掲載されている。Natureこの記事は有料でしか読めないのだが、二つの論文のpreprintは、arXivで読める。 それぞれ、53-51 qubitのシステムを実現している! Monroe et al . "Observation of a Many-Body Dynamical Phase Transition with a 53-Qubit Quantum Simulator"  https://goo.gl/tYckTp Lukin et al. "Probing many-body dynamics on a 51-atom quantum simulator"  https://goo.gl/YdCSGi Monroeは、Maryland大の人で、今は、IonQというベンチャーを立ち上げている。Lunkinらの論文は、Harvard/MIT/CalTechの共同研究。 Monroe/Lukin 両者ともに、qubitの実装にはイオン・トラップを使っている。GoogleやIBMといったIT業界の巨人達は、超電導を使って(D-Waveもそうだ)qubitの実装をしているのだが、アカデミー勢の動きは対照的だ。 「紙と鉛筆」では、もちろんqubitの実装はできないのだが、光格子を使ったトラッピングは、超電導回路を集積させるより、安価にできると思う。日本の大学の研究室でも、予算に恵まれれば可能な実験である。(「スーパー・コンピュータ」に対する文科省の支援より、一桁安くても可能だと思う。) アカデミー系の両者のシステムが、同じ "Quantum Simulator" で、同じ「多体問題」のシミュレーションをしているのも、要注目だ。それは、「量子ゲート」型でも、「量子アニーリング」型のいずれでもない。 ただ、それは、量子コンピュータを展望した最初の論文、ファインマンの"Simulating physics with computers"のビジョンに、忠実に従ったものである。物理学者を含む多くの人が納得する形での「量子優越性」の証明は、「暗号解読」でも「ディープラーニング」でもなく、

「働くママ × テクノロジー #01」

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昨日(12/10)は、「働くママ × テクノロジー #01 人工知能と共存する未来の「はたらく」を考えよう」というワークショップで講演。 IT系の男性より、「働くママ」の方が、未来のことポジティブに考える人が多そうに思えて、面白かった。

12/9「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論基礎演習」解答編

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12/9の「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論基礎演習」の様子です。みなさん、紙と鉛筆で、6時間の講義・演習、真剣に頑張ってくれました。本当に、ご苦労様でした。 演習課題の解答編を作りました。ご利用ください。「ketのレシピ」再録しましたので、復習に使ってください。 https://goo.gl/Uib1PV

「量子情報理論基礎演習 I」講義資料

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12月9日の「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論基礎演習」の講義資料です。ご利用ください。 https://goo.gl/4Yxntm ------------------------ 「はじめに」から ------------------------ 本演習は、量子ゲート型量子コンピュータの基礎を演習形式で学ぶことを目的としたシリーズの第一回目である。対象を、量子論を初めて学ぶ人として、高校生程度の数学的知識を前提に、基本的なベクトル・行列計算の入門演習を含んでいる。 量子ゲート型量子コンピュータの入門としては、基本的な量子アルゴリズムや量子通信手法の紹介、量子情報理論の入門としては密度行列や量子情報とエントロピーの紹介等、重要な部分が欠けているのだが、それらについては、シリーズの次回以降で取り上げたいと考えている。 また、ここで取り上げられている素材は、物理学的な量子論から見ると、大幅に簡略化されている。こうしたアプローチは、量子論の入門としては、むしろ望ましいことのように筆者は考えている。 こうした簡略化が可能なのは、物理学的量子論が、実在的な物質を対象とし、その運動法則の解明を目指すのに対して、少なくても、量子ゲートの理論は、量子論をそのフレームにしつつ、その対象が抽象的・形式的なものであるところが大きいと考えている。(現時点での量子コンピュータの実装レベルでの達成と、その理論的展望との間には、大きな乖離がある。) ただ、量子情報理論は、量子論から派生したそのサブセットでも、単なるその応用分野だというわけでもない。近年の物理学の大きな話題は、量子情報理論が、物理学そのものの基礎理論なのではないかという関心の高まりのように筆者は感じている。こうした関心が多くの人に共有されることを期待している。 準備期間が短かったので、いろいろ行き届かないところがあると思う。それについては、ご容赦されたい。 ------------------------   目次 ------------------------ 量子論の成立と発展 量子論と量子情報理論 補講:ベクトル・行列演算入門 重ね合わせの記述とket記法 観測とエルミート演算子 量子の状態変化とユニタリ演算子 n-q

失敗

9日の「紙と鉛筆で学ぶ量子情報理論基礎演習」ですが、告知文には「紙と鉛筆持参のこと」としか書いてないんですが、資料・演習課題は、当日、「紙」ではなくネット経由で電子的に配布しようと思っています。すみませんが、紙と鉛筆だけでなく、PCも持参してもらえませんか?