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六本木一丁目駅の不思議

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昨日は訪問先の渋谷のオフィスが見つからず困る。「〇〇ビル一階」の「〇〇ビル」はGoogle様のお告げでなんとかたどり着いたのだが、そのビルの一階には、めざすオフィスがないのだ。なんどさがしてもないものはない。 理由は簡単だった。一階と思っていた道路に面したエントランスが、実は二階だったのだ。坂道に建てられているビルには、時々そういうことがある。後から来た友人が、掲示板を見てすぐに気づいた。彼が来なければ、諦めて家に帰っていたと思う。まぎらわしい。(ちゃんと掲示板見ろよ。) 次の六本木一丁目のミーティングでも困る。相手が現れないので、メッセすると、「もうついてます」という。なんど店内を見回しても、いないものはいない。 もしやと思って店員さんに聞くと、「この近くタリーズ、三軒あります」という。 彼がいたのは一丁目店で、僕がいたのは三丁目店だった。二つの店は地下鉄の線路をはさんですぐ近くにあるのだが、六本木一丁目駅、工事中で、駅を通り向けることができないので、彼は、大回りをすることに。 あとになって、気づいたことがある。 彼がいった一丁目店が、本当は、僕も行こうと思っていた店だったことに。前に行ったことがある。その時は、駅員さんにずうずうしく「反対側に行きたいんだけど」と言ったら、通行証みたいのを渡されて、すんなり通してくれたんだ。彼にそのこと教えればよかった。 僕がいたお店は、実は、以前に行ったお店ではなく、違うお店で、初めてのお店だったことになる。同じタリーズなので気づかなかった。六本木四丁目のバス停で降りて、六本木一丁目駅に向かって最初に見つけたタリーズだったのだが、それが三丁目店だったんだ。 きっと、六本木の一丁目と三丁目と四丁目は、すぐ近くにあるんだと思う。おそらく二丁目も。 地図を調べてわかりました。 「六本木一丁目駅」は、一丁目と二丁目と三丁目の三つのエリアが、ちょうど接するところに建てられているんですね。近いはずです。 「泉ガーデン」があるのが一丁目、「グランドタワー」があるのが三丁目です。「アパホテル六本木一丁目駅前」の住所は、実は二丁目です。 二丁目と四丁目も近くて、「ガリシアヒルズ」は二丁目ですが、「Speee」は、もう四丁目です。二丁目と四丁目が隣り合っています。 一丁目、二丁目、三丁目、四丁目

コップの中の「宇宙」

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11月の講演も一段落したので、今回は、もう少し基本的な話をしようと思う。 量子情報理論や複雑性理論が、現代の物理学の中心課題である量子論と相対論の統一に重要な役割を果たしているという話である。 以前にも、量子論と相対論の統一については、ここで、サスキンドとマルデセナによる「ER=EPR」理論を紹介してきた。  ●「量子論と相対論の統一としての ER = EPR 」https://goo.gl/fah5bn  ●「ER=EPRに先行したもの (超入門編)」https://goo.gl/FxTjR2 この分野で、この間、大きな進展がある。課題をスローガンにすることの好きなサスキンドは、もう「GR=QM」というスローガンを掲げている。GRはGeneral RelativityでQMはQuantum Mechanicsだから、「一般相対論=量子力学」ということだ。 「GR=QM」については、サスキンド自身による、次のビデオがわかりやすい。"QM=GR?" https://goo.gl/WKYNdD (論文で言えば、"Dear Qubitzers, GR=QM." https://goo.gl/weJedZ ) この理論的進展に、決定的な役割を果たしているのが、量子情報理論での「量子テレポーテーション」を、もつれ合ったミクロな二つのブラックホールの間の「ワームホール」をqubitがくぐり抜けることとして捉え直そうというアイデアである。 (図は、"Teleportation Through the Wormhole" https://goo.gl/pX6d9P から) 「ワームホール」は、アインシュタインが1935年に予見した、二つのブラックホールを繋ぐ「橋」である。サスキンドやマルデセナら現代の物理学者は、このワームホールの存在が、二つのブラックホールがエンタングル(もつれあい)状態にあることと同じであると考えている。 ただ、アインシュタイン=ローゼンの「ワームホール」は、誰も通り抜けることはできないものだったのだが、これが通り抜けられることになれば、どうなるか? 彼らは、「量子テレポーテーション」がそれに当たるという。 こうしたブラックホールは、どこにでも存在していると彼ら

稚内に初雪

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稚内についに雪が降りました。 一週間前にも「稚内に初雪」というニュースが流れたのですが、僕の知り合いは、だれもその「初雪」をみていなかったのです。今日は、ちゃんと誰にもわかる形で降りました。この程度の雪は、毎年、早ければ10月の終わりには降るのですが。 一週間前の幻の「初雪」も「観測史上最も遅い初雪」だったのですが、実際は、それより一週間も遅いというのが本当のところかなと思います。 東京は、今年は暖冬で、去年のようには雪は降らない可能性があるのですが、稚内で雪が降らないということはありえません。 面白いことに、稚内の人は、あまり「今年は暖冬で雪が少ないだろう」とは言いません。「今年は雪が少ないだろう」と思った途端、倍返しのようにとんでもないドカ雪に降られる経験をなんどもしているからです。 でも、今年は、雪がすくないといいなあ。

連続セミナー第三回「人工知能と量子コンピュータ」の様子です

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今日の角川さんでの連続ナイトセミナー「人工知能を科学する」の第三回「人工知能と量子コンピュータ」の様子です。参加された皆さん、3時間の長い時間、お疲れ様でした。 前回のマルレクすこし飛ばしすぎだったようで今回は少し反省して、「NP-完全」という概念にフォーカスして、全体の流れを伝えることに語り口を変えてみました。どうだったんでしょうね? 今日の資料です。ご利用ください。 https://goo.gl/ymYfFY このシリーズ次回は、12月14日開催の「人工知能と哲学」です。ご期待ください。

パソコン甲子園2018の結果です。

【プログラム部門】  1位 筑波大学付属駒場高校  2位 北九州工業高専  3位 開成高校  4位 N高校  5位 灘高校  6位 京都府立堀川高校  7位 東京都立両国高校  8位 灘高校 審査員特別賞  灘高校 【モバイル部門】  グランプリ    沖縄高専  ベストアイデア賞   大阪府立大手前高校  ベストデザイン賞   鳥羽商船高専 ------------ モバイル部門グランプリの沖縄高専(女子二人のチーム)の作品は、沖縄を訪れる外国人観光客を対象にしたアプリ。レストランや食堂の日本語のメニューをカメラで写すと、その食品の説明が画像とともに日本語・英語・中国語(今の所は)で表示される。宗教やアレルギーの有無を入力すると、食べていいものなのかを教えてくれる。よくできている。 ------------ 帰り道、 遠藤 さんと上野の「デリー」でカレーを食べる。お店に置かれていた「上野のれん会」発行の無料のパンフレット「うえの」が、とてもよくできているのに感心する。

角川連続講座 第三回「人工知能と量子コンピュータ」

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あさって 11/19のセミナーですが、「はじめに」の部分できました。(遅い!)遅かったせいか、まだ、席に余裕があります。よろしかったら、聴きに来てください。 https://lab-kadokawa71.peatix.com/ 資料公開しました。ご利用ください。 https://goo.gl/ymYfFY --------- はじめに --------- 人工知能のもっとも基本的な問題の一つは、機械と人間にとっての「認識」の限界を正確に知ることであると僕は考えている。 量子コンピュータの登場が、こうした問題にどのような新しい地平を切り開くのかということは、人工知能論にとっては大事な問題である。 こうした観点から、量子コンピュータと量子複雑性理論については、これまでいくつかの機会で紹介してきたのだが、計算可能性理論や複雑性理論そのものについては、あまり語ってこれなかった。 今回は、第一部で、改めて複雑性理論の中核である「NP-完全」問題という不思議なコンセプトを説明しようと思う。「NP-完全」の発見なしには、複雑性理論は生まれなかったと言っていい。その理論的インパクトは、計算可能性理論の創出にゲーデルの不完全性定理が与えたインパクトと同じものだと思う。 「NP-完全」問題は、基本的に、力まかせの総当たりでやれば必ず解は見つかるはずというところが、どう頑張っても原理的に証明することが不可能な命題が存在することを主張する「不完全性定理」とは異なっている。 ただ、総当たりで問題を解くには、n個の条件が成り立つか否かというように問題を単純化しても、試すべき条件の組み合わせは、2のn乗個になる。nが小さいうちは(例えば、n=10なら、1024個の場合をチェックすればいい)なんとかなるのだが、nが大きくなるにつれ、問題は、文字通り指数関数的に難しくなる。それは、総当たり法では、現実的には、全く手に負えない問題となる。 量子コンピュータに対する期待の一つは、それがn-qubitの入力に対して、それに対応する2のn乗個の状態の演算を同時に実行することができるので、それをNP-完全問題の攻略に利用できるのではないかというものである。 量子コンピュータなら、NP-完全問題も解けると思っている人も少なくないのだが、

届かない郵便

簡易書留で送られた新幹線の切符を取り逃がし「みどりの窓口」に並ぶ破目に。もちろん、あとで旅費の精算はしてもらえるのだが。面倒くさい。 不在ということで、切符は送り主に返送されたらしいが、昨日の時点ではまだ送り主に届いてなかった。早く着かないと、明日の指定券なので、先方が指定券払い戻しできなくなるんだけど。(先方もいい迷惑だろうな) アマゾンやクロネコのサービスに慣れてしまうと、不在配達の通知票を一回おいただけで、時間切れで送り返すというのは、どうかと感じてしまう。届かなかったことと返送されたことの追跡確認はできたのだけど、それは、今回の場合は、あまりありがたいサービスではない。 たしかに、宅急便のようになんども再訪問するのは過剰サービスなのかもしれないんだけど。 それに、僕、天地神明に誓って(いつから、神様信じるようになったんだい)、不在配達の通知受け取ってないんだけど。 切符は手に入れたし、まあ、いいか。 関係者の皆様、おさわがせしてすみません。