歯が抜けた
歯を磨いていたら、歯が一本抜けました。
「髪は長い友達」というコピーありましたが、あれは半分嘘ですね。この「友達」は、結構な数、僕を裏切って去って行きました。その際、前頭葉の一部も持って行かれました。僕の毛根、ニューロンと一体化していたようです。
それなら、歯だって長い付き合いですよね。前歯だったので、相当長い付き合いです。なんの痛みもなく、安らかな最後だったのですが、見かけの小ささ以上に、舌先が感じる喪失感は、大きなものがあります。
長年の献身に敬意を表して、お葬式でも出さなくちゃと思ったら、彼が生まれた時、なんかしたような記憶がぼんやりと浮かびました。よくは覚えていないのですが。
こんな絵本がありました。「はがぬけたらどうするの?―せかいのこどもたちのはなし」https://goo.gl/7qvbVF
乳歯が生え変わる時に、抜けた歯に、いろいろおまじないの儀式をする風習は、世界中に広がっているんですね。
絵本どうりにしようと思ったのですが、困りました。
屋根の上に投げるにしても、今住んでるビルの屋根は高くて、届きそうもありません。土に埋めるにしても、家の近くはコンクリートで土がありません。
当面、悲しみに耐えて静かに喪に服しますので、「かっこうが悪い」と本当のことを言ったり、「はやく歯医者に行けよ」と正しいことを言わないでもらうと嬉しいです。
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