量子論抜きでBB84のプロトコルを述べてみる

【 量子論抜きでBB84のプロトコルを述べてみる 】

今回も、量子論抜きで、BB84のプロトコルを述べてみます。どこまでうまくいきますでしょうか?

まず、AliceとBobがすることをまとめてみましょう。

 1.  Aliceは、ランダムなビット列を準備します。
 2.  Aliceは、ランダムなビット列を、一ビットづつコインにエンコードします。この時、二つあるエンコード方式のどちらを選択するかは、コインを投げてランダムに決めます。
 3.  Bobのデコードでは、まず、Aliceから受け取ったコインを、別のコインに変換します。この時、二つあるデコード方式のどちらをとるかは、コインを投げてランダムに決めます。
 4.  Bobは、このコインを投げて、表の数字を読み取り、それをデコードの出力とします。

AliceとBobには、お互いに知らないことがあります。

 1.  Aliceが入力につかったビットを、Bobは知りません。(もともとランダムですから)
 2.  Aliceが使ったエンコード方法を、Bobは知りません。(コイントスでランダムに決めますので)
 3.  Bobが使ったデコード方法を、Aliceは知りません。(コイントスでランダムに決めますので)
 4.  Bobが出力するビットを、Aliceは知りません。(コイントスでランダムに決めますので)

とてもランダムです! とてもAliceとBobで情報の共有ができるとは思えません。このままですと確かにそうです。

そこで、AliceとBobは、各ビット毎にどのエンコード方式とどのデコード方式を使ったかの情報をお互いに教え合うことにします。そうすると、状況は変わります。

なぜなら、前回見たように、両者のエンコード方式とデコード方式が一致した場合にのみ、Aliceの入力ビットとBobの出力ビットは、確実に一致するからです。

AliceとBobは、エンコード方式とデコード方式を教え合ったので、こうしたビットをピックアップできます。AliceとBobは、こうして得られたビット列を「共有キー」として、確実に共有できます。

AliceがBobに送ったエンコード方式の情報が、もしも第三者に漏れたとしたら、この第三者は、構成された共有キーの情報を得ることができるでしょうか? それはできません。なぜなら、エンコード方式がわかったとしても、Aliceが入力に使ったビットの情報を第三者は知らないからです。

BobがAliceに送ったデコード方式の情報が、もしも第三者に漏れたとしたら、この第三者は、構成された共有キーの情報を得ることができるでしょうか? それはできません。なぜなら、デコード方式がわかったとしても、Bobの出力ビットは、コイントスでランダムに決まりますので、その結果を第三者は確実には知りえないからです。

【「量子キー配布 -- BB84での共有キーの構成 」を公開しました 】

https://youtu.be/0NBSB5tfxFs?list=PLQIrJ0f9gMcMOZpuJsAE6UvyX4g0_TYnM

動画のpdfは、こちらからアクセスできます。https://drive.google.com/file/d/15LAyNjM13tzuI7hfsfaRCs7ANBoGxpBI/view?usp=sharing

このシリーズのまとめページはこちらです。
https://www.marulabo.net/docs/q-net/

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