qubitの情報を光ファイバーにのせる方法

【 qubitの情報を光ファイバーにのせる方法 】

量子通信でも、基本的には光ファイバーを利用します。photon(光子)は、量子としての性質を持っているからです。ただ、現在の光ファイバー通信は、信号を光の強弱に変換します。そこでは、photonの量子としての性質は無視されています。現在の光ファイバー通信の枠組みを、そのままの形では、量子通信に転用できるわけではありません。

量子の情報を光ファイバーにのせる方法を考えなければなりません。もっと具体的には、量子としてのphoton の持つ情報を信号としてファイバー上で伝える方法を考える必要があります。

いくつかの方法が提案されています。

一つは、photonの偏光をqubitの情報の担い手として利用することです。これを "Polarization Encoding" といいます。二つの偏光状態の重ね合わせとしてのphotonは、そのままファイバーの中を移動できます。また、この方式は、わかりやすいし、古くから研究されてきたものです。

ただ、この方式には弱点もあって、先にファイバー上でそのまま通せると言ったのですが、その状態は、ファイバーの距離が長くなると急速に失われます。現在では、ファイバーを通さない、フリースペースでの、例えば衛星との量子通信などに利用されています。(電波を使った通信も、Photon を使っているわけです。)

もう一つの方法は、今回から紹介する time-bin qubit encoding です。
現在の量子通信の実験のほとんどは、time-bin qubit encoding を利用しています。

簡単にいうと、Polarization Encodingのように、偏光の重ね合わせを同時に送るのではなく、photonの量子状態を、短い時間で隔てられた二つの独立なパルスのペアとして送ろうとするものです。

今回は、このtime-bin を生成するのに利用されている Mach-Zehnder  干渉計の働きを紹介しようと思います。

【「time-bin qubit encoding (1) qubitの情報を光ファイバーにのせる -- Mach-Zehnder干渉計の利用」を公開しました 】

https://youtu.be/uVMO2tHQFaY?list=PLQIrJ0f9gMcMOZpuJsAE6UvyX4g0_TYnM

動画のpdfは、こちらからアクセスできます。
https://drive.google.com/file/d/1BdZOOjJ4Ipj5ktXXlVq1YmMfozwtiCU1/view?usp=sharing

このシリーズのまとめページはこちらです。
https://www.marulabo.net/docs/q-net/

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