観察プロセスをカテゴリー論で表現する

【 観察プロセスをカテゴリー論で表現する 】 

「相対エントロピー」は、これまでも人間の認識や学習のスタイルと結びつけて解釈されてきました。代表的なものは、「相対エントロピーのBayesian的解釈」と言われるものです。また、それらは、Deep Learnig の技術にも大きな影響を与えてきました。

「相対エントロピーのBayesian的解釈」については、マルレクでも、何度か取り上げたことがあります。時間がありましたら、次のムービーをご覧ください。短いものです。

YouTube: 「ディープ・ラーニングとエントロピー  -- 相対エントロピーとその解釈」https://youtu.be/3214xyWSLzo?list=PLQIrJ0f9gMcM2_4wbtngkEvZEYfuv5HY2

このビデオのスライドのpdf:
https://drive.google.com/file/d/1e1vyB8rSwegNRXG6CmbrZE-31DlSUAMv/view?usp=sharing

今回のセッションの内容は、それらとはかなり違ったものにみえるかもしれません。ただ、人間の認識の過程を、数学的に表現しようという問題意識は共通のものです。ここで対象となっているのは、あるものを観察するという人間の認識過程です。

あるシステムの状態を、観測機器を使って観測することをイメージしてください。

観測とは、観測の対象であるシステムXの状態を「入力」とし、観測機器の与える観測結果Yを「出力」とするプロセスだと考えることができます。観測のプロセスというのは、システムXの状態を観測機器の状態Yに変換することです。

ただ、あるシステムの状態が、一つの数字で表されるとは限りません。それはいくつかの確率変数の確率分布x∈Xで与えられると考えることができます。同様に、観測結果を示す観測機器の状態yも、確率分布y∈Yで与えられると考えることができます。

観察プロセスを f とした時、この過程を f(x) = y と表します。この見方によれば、観察とは、確率分布として与えられたあるシステムの状態を、やはり確率分布として与えられる観測機器の状態に変換する過程に他ならないということになります。

YouTube :
https://youtu.be/MzMQj0xWSzg?list=PLQIrJ0f9gMcPcLv9Xw1F4OnNfO1d9lxxh

スライドのpdf版は、こちらからアクセスできます。https://drive.google.com/file/d/1chdrfTOsVtCMyPsDEA1cdapa9QIl2YtU/view?usp=sharing

このシリーズのまとめページは、「エントロピー論とカテゴリー論」です。https://www.marulabo.net/docs/info-entropy5-addendum/


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