AIと数学 -- AIはどのような問題をどのように解いたのか?

 【 AIと数学 -- AIはどのような問題をどのように解いたのか (1) 】

今回のセッションから、AIはどのような問題をどのように解いたのかを、少し詳しく見ていこうと思います。

今回発表された10の数学的問題の多くは、僕は全く知らないものでした。

ただ、そのうちの一つ、第4番目の問題「A Counterexample to Connes Rigidity (コンヌ剛性に対する反例)」は、よく知っている問題でした。

コンヌ予想が誤りであることが、5人の若いコンピュータ科学者によって意想外の斬新なアプローチで鮮やかに証明されたのは、2020年の1月のことでした。僕は、この証明とそのスタイルにショックを受けました。

2020年の11月27日に、この証明をテーマにしたセミナー「コンピュータ・サイエンスの現在 — MIP*=RE定理とは何か?」を開催しました。そのセミナーの呼びかけを再掲します。

「コンピュータ・サイエンスは、今、大きな転換点を迎えています。

その変化は、一言で言えば、コンピュータ・サイエンスは、単に「コンピュータ=計算機についての理論」ではなく、情報理論や物理学や数学などの数学的手法を用いる幅広い数理科学の中心的な理論として登場しつつあると言うことです。

こうしたコンピュータ・サイエンスの進化を象徴的に示すのが、2020年の1月に証明された “MIP* = RE定理”(「ミップ・スター・イコール・アールイー定理」と読みます)です。この定理は、数十年間未解決であった純粋数学の問題を解決し、また、同じく未解決であった量子力学の基本的な問題を解決しました。こうした問題の解決が、数学者や理論物理学者によってではなく、「コンピュータ・サイエンティスト」によって行われたことは、ある意味驚くべきことです。

数理科学の世界だけでなく、”MIP* = RE定理” は、ITの世界で、セキュリティの向上や新しい暗号化技術、さらには、最適化問題の近似的な解決法、新しいデバッキング手法の開拓などに幅広い応用を持つことが期待されています。

セミナーでは、できるだけ分かりやすく、”MIP* = RE定理” の概要を説明できたらと考えています。多くの皆様の聴講を期待しています。」

なかなか骨太の理解が難しい定理なのですが、お盆休みにでも、ゆっくりその概要を眺めてもらえばいいと思っています。そして、そのことが、AIによる証明の特性を理解する、一つの鍵になると僕は考えています。

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「コンピュータ・サイエンスの現在 — MIP*=RE定理とは何か?」まとめページ
https://www.marulabo.net/docs/cs-mipstar/

「コンピュータ・サイエンスの現在 — MIP*=RE定理とは何か?」講演資料pdf
https://drive.google.com/file/d/1Xbn-6rLMUoEp3_DfSOSvg8CdRXwsB1Wl/view


講演動画 Part I 「MIP* = RE 定理」の射程とその源流

https://youtu.be/-Q-pJRVDirY?list=PLQIrJ0f9gMcOyb8dc3ukgOT7VTb8KULWH

講演動画 Part II 計算可能性理論と計算複雑性理論

https://youtu.be/5FsO1xlXHvk?list=PLQIrJ0f9gMcOyb8dc3ukgOT7VTb8KULWH

講演動画 Part III エンタングルメントの時代 — Interactive Proofと「量子計算複雑性」

https://youtu.be/pbtT8TXptzs?list=PLQIrJ0f9gMcOyb8dc3ukgOT7VTb8KULWH



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