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10/23 小又ゼミ、講演ビデオ公開しました

【 10/23 小又ゼミ、講演ビデオ公開しました 】 10/23に開催した、MMM 小又ゼミ「誤り訂正符号の初歩—古典と量子」の第三回「有限体」の講演ビデオ公開しました。 https://youtu.be/fkkyPRPtlp0?list=PLTCzV3aLjJ1Qj7KjfVaj_k32M_qLaeIUA 次のページで、今回のセミナーの講演資料を公開しています。御利用ください。https://www.marulabo.net/docs/komata03/

浅海ゼミ講演動画公開しました

【 浅海ゼミ第三回の講演動画公開しました 】 MMM 浅海ゼミ「クラウドアプリケーションのためのオブジェクト指向分析設計講座 」の第三回「基本モデル」の講演動画を MaruLaboのもう一つの YouTubeチャンネル MaruLabo Micro Media (MMM) で公開しました。 システムの開発方法論に興味を持っている方、是非、ご覧ください。 https://youtu.be/bPeoHCXjDjM?list=PLTCzV3aLjJ1RgHRwwoEGCGpxx9r1dVu62 講演資料のpdf版は、次のページからアクセスできます。ご利用ください。 https://www.marulabo.net/docs/asami03/ 本日は、MMM 小又ゼミ「誤り訂正符号の初歩—古典と量子」の公開セミナーが 21:00から開催されます。こちらにも、是非、ご参加ください。 小又ゼミの講演資料、zoomのアクセスURLは、次のページからアクセスできます。 https://www.marulabo.net/docs/komata03/

記憶能力の外的拡大 -- 世代から世代へ --

【 記憶能力の外的拡大 -- 世代から世代へ -- 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「記憶能力の外的拡大 -- 世代から世代へ -- 」を公開しました。 https://youtu.be/ituJusOy-i4?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/19hIz2RaK_CAYvGzkTfdDvlsIVe81tIwB/view?usp=sharing [ 世代から世代への 遺伝子情報の伝達 ] 生物界で最も基底的な情報システムは、生命現象の固有な部分を構成する、世代から世代への時間の流れに沿った遺伝情報の伝達です。 ウィルスは確かに自分を取り巻く環境を知覚はできません。ましてや,自分の隣にいるウィルスと会話ができるわけもありません。それにもかかわらず,彼らは,自らの複製を無数に作り出すことを通じて,そして,その過程での複製の誤りや突然変異を利用することによって,親から子へ,さらには次の世代へ と,貴重な情報を送り続けています。 こうして,たとえ隣のウィルスとは会話ができなくとも,一方向的ではあるのですが,子孫としてのウィルスヘは情報伝達を行い,自然淘汰によって、全体としては環境の変化を感じとり,環境に適応する能力を持っていると言うことができます。 [ 遺伝子情報によらない、 世代から世代への情報伝達 ] われわれにとって,より興味深いのは,人間において,言語能力等の新たな遺伝的特質の獲得を基礎に,新しい世代間の情報伝達情報蓄積の様式を作り上げることが可能になったということです。 そこで、まず、基本的な役割を果たしたのは、人間の記憶力と言語の能力でした。「口づたえ」で過去のことを若い世代に伝えるのは、普遍的なものです。「口承文芸」は、多くの民族で見られます。 こうした、語り言葉による伝承のスタイルを、大きく変化させたのは、文字の発明とその利用の拡大です。過去のことを伝えるのに、もはや稗田阿礼のような超人的な記憶力は必要は無くなりました。歴史は、文字で書かれればいいのです。 われわれ人間は,DNAを通ずる以外の手段で,歴史上で先行する集団から情報をうけとることができ,かつ,情報を後の世代に伝達しうる

Smellsophy

A. S. Barwich の "Smellosophy" をザッピング。 https://www.amazon.com/Smellosophy-What-Nose-Tells-Mind/dp/0674983696 タイトルは奇妙な造語だが「臭い哲学」とでも訳せばいいのか。副題は「鼻が心に語るもの」。それだけだと、あまり面白そうな本には思えないのだが、とても面白かった。 月末のセミナーに向けて「感覚と情報」というセクションを準備していて、手始めに「五感」(視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚)のそれぞれの解説をwikiで読み始め、いろいろ調べ始めたのだが、そこで出会った本だ。(ちなみに、「五感」の日本語wikiは「昭和の臭い」がする。) 視覚については、昔はディープラーニングに興味があったので、ちょっと調べたことがある。他の「感覚」についても、それの延長だろうと軽く考えていたのだが、少し、違っていた。まあ、感覚器官の働きを、外界についての情報を生成・エンコードするものと考える点では、一致しているのだが。 冒頭、ほとんどの哲学者たちが、感覚の中で臭覚にはほとんど重きを置いていないことが指摘される。 コンディアック:「すべての感覚のうちで、人間の精神の認識にとって、もっとも貢献していないもの。」 カント:「もっとも不快で、かつ、もっとも無くてもいいように思える感覚器官はどれか? 嗅覚である。」 確かに、知覚と身体性を考察したメルロ=ポンティだって、臭覚については触れていない(と思う。記憶にないというのが正確かな。) 「まなざし」から対自・対他を分析したサルトルだって、「視覚」の抽象化・幻想化だ。それらは「20世紀哲学の臭い」がする。 プルーストの「スワンの家の方に」に、マドレーヌの匂いで記憶が呼び起こされるという一節がある。それについては別に述べる。嗅覚の中枢と記憶の中枢はとなりあっている。それとて、嗅覚と記憶の起源は、同じように古いということを意味しているだけなのかもしれない。 彼女が注目しているのは、匂いのセンサーである 「臭い受容体 olfactory receptors (ORs)」は、より広い「Gタンパク質共役受容体  G-protein-coupled receptors (GPCRs)」の一部であることが同定されたことである。 それによって、嗅

感覚と情報 4 -- 計算するニューロン

【 感覚と情報 4 -- 計算するニューロン 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「感覚と情報 4 -- 計算するニューロン」を公開しました。 https://youtu.be/nDcOHVS6opI?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/19C5oj-jjKwn0cwcBs8COa8CmzkzlhsSP/view?usp=sharing ニューロンの働きで重要なことは、それが計算する能力を持っていることです。 ニューロン は、シナプスを通じて受け取った複数の入力から、一つの出力を計算して、その出力をつながっている複数のニューロンに送ります。 出力は「ある」か「ない」かの二種類だけです。ニューロン がの出力が「ある」場合、ニューロンが「発火した」といいます。出力が「ある」か「ない」か、同じことですが、ニューロンが「発火する」か「発火しない」のかが、ニューロンが行う計算では重要です。 このことは、ニューロンが、「発火する」か「発火しない」のか、出力が「ある」か「ない」かといったスタイル、すなわち、1か0かのディジタルなスタイルで信号を処理していることを意味します。 ここでは、ニューロンが行うディジタルな計算の要である、ニューロンが発火する条件を見ていきます。 基本は、ニューロンのすべてのシナプスからの「発火しよう」という意見と「発火やめよう」という意見から、発火するかしないかを多数決で決めていきます。「発火しよう」と主張するシナプスを「興奮性シナプス」、「発火やめよう」と主張するシナプスを「抑制性シナプス」といいます。 ただ、すべてのシナプスが、同じ一票を持っているわけではありません。株主総会での投票権が、持ち株の数に応じて変わるように、あるシナプスは3票の、またあるシナプスは、10票の投票権を持つことがあります。各シナプスが持つ投票権を「重み」といいます。 最後に、発火の賛成票が反対票を一票でも上回れば、発火するわけではありません。ある一定数以上の票差がないと発火は行われません。この票差を「バイアス」といいます。 各シナプスへの入力の有無、各シナプスの持つ重み、ニューロンのバイアス、この三つのタイ

感覚と情報 3 -- ニューロン

 【 感覚と情報 3 -- ニューロン 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「感覚と情報 3 -- ニューロン」を公開しました。 https://youtu.be/gdfM0bsgpag?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/15uIgqfAr8aQM6d6MGbnDb1n2rYUO-apN/view?usp=sharing すべての動物は、神経を持っています。そう、クラゲでさえ。 ただ、ニューロン=神経細棒がどのようにネットワークを形成して、どのように信号を伝えていあっているかは、具体的な動物について、具体的にわかっている訳ではありません。なぜなら、それは極めて複雑だからです。 線虫のC. Eleganceは、そのすべての神経の接続がわかっている唯一の生物だと言われています。302の神経と8,000のシナプスがあるそうです。 人間の脳のニューロンが、どうつながっているのかは、大雑把なことはわかっています。ただ、細かいことはよくわかっていません。サーバーの配線ケーブルを見ても、サーバーの働きが理解できる訳ではないのですが、配線の一本一本が、意味を持っているのは確かです。 ニューロンは、シナプスを介して、他のニューロンと接続しています。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ   https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1,  情報の時代の始まり  -- 1950年代 https://youtu.be/viP_9_wikbM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 2.  情報の時代の新段階  --  21世紀初頭 https://youtu.be/xUKtMUXwESM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 3.  感覚と情報 1 - 視覚 https://youtu.be/88zdNCpYQbY?list=PLQIrJ0f9g

感覚と情報 1 -- 視覚

【 感覚と情報 1 -- 視覚 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「感覚と情報 1 -- 視覚」を公開しました。 https://youtu.be/88zdNCpYQbY?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/15fpXS3fA7p937R8nflMQTpmC6su2L6KT/view?usp=sharing 生物の最も高度な知覚の器官は「眼」です。視覚は、今から5億年以上前のカンブリア紀に大きな進化を遂げたといいます。 捕食者として当時の生態系の頂点に立ったアノマカリスは立派な眼を持っていました。視覚に生物学的な(視覚神経的な)共通の基礎があるのは当然のことだと思います。 多くの動物は目を持っているのですが、ゲーリングは、これら全ての目の構造形成に、同一の遺伝子 Pax-6 が関わっていることを発見します。 視覚研究では、60年代から70年代にかけての、Hubel と Wieselの大脳視覚野の研究が、各方面に大きな影響を与えましたた。 ニューラル・ネットワークの最初の研究も、こうした影響のもとで始まりました。デープラーニング・機械学習の最も基本的なモデルは視覚だといっていいと思います。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1,  情報の時代の始まり  -- 1950年代 https://youtu.be/viP_9_wikbM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 2.  情報の時代の新段階  --  21世紀初頭 https://youtu.be/xUKtMUXwESM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 3.  感覚と情報 1 - 視覚 https://youtu.be/88zdNCpYQbY?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJa

情報の時代の新段階 -- 21世紀初頭

【 情報の時代の新段階  --  21世紀初頭 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「情報の時代の新段階  --  21世紀初頭」を公開しました。 https://youtu.be/xUKtMUXwESM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/13zb_ZaX-kIV-L_-CzRyTvFS9jzbOvHHN/view?usp=sharing 21世紀に入って、情報の世界は新しい時代に入ります。 それは、「クラウドとモバイルの時代」と呼んでいいものだと思います。 代表的な出来事あげておきます。  2004年 Google上場  2006年 Amazon EC2, S3   2007年 Apple iPhone  2008年 Microsoft Azure  2008年 Google Android  2012年 Facebook上場  GAFAの時代が始まります。 基本的な変化の方向は、次のようなものです。 ● ハードウェアの高速化・高機能化 IT技術の変化を、もっとも深いところで規定しているのは、半導体の集積度の絶えざる上昇と処理能力の拡大というハードウェアの変化であると僕は考えています。 ● ハードウェアの低価格化とIT技術のコンシューマ化 何よりも、高機能なハードウェアの劇的な価格低下=コモディティ化は、IT技術の普及に大きく寄与し、ITの世界を大きく拡大していきます。 ● コミュニケーションと情報共有の志向の拡大 1950年代の情報の時代の創成期とは、全く異なる状況が生まれました。 しかし、こうした変化は、また、次の大きな変化が予想されることを意味しています。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1,  情報の時代の始まり  -- 1950年代 https://youtu.be/viP_9_wikbM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdD

お詫び -- Deep Learning 系講演資料のリンクが切れていました

【 お詫び -- Deep Learning 系講演資料のリンクが切れていました 】 今度のセミナーでの「感覚と情報」というセクションの準備をしていたのですが、マルレク+MaruLaboのサイトから、2017年以前の 丸山のDeep Learning 系の講演資料のデータの多くがアクセスできないことに気づきました。  なんか、昔はとても可愛がっていた子を、気が変わってエイやと里子に出して、音信不通のまま放置したような気になって(そのつもりはなかったのですが)、少し、かわいそうになりました。気がついて、よかった。 以下のセミナーのリンクを修復しました。ご利用ください。 ● 2017/05/28 「ニューラル・コンピュータとは何か?」 https://www.marulabo.net/docs/20170528-marulec01/ ● 2017/03/27 「Googleニューラル機械翻訳」 https://www.marulabo.net/docs/20170327-marulec03/ ● 2017/02/22 「RNN と LSTMの基礎 — Sequence to Sequence —」 https://www.marulabo.net/docs/20170222-marulec05/ ● 2016/12/20 「DNNとRNN — ニューラルネットワークの二つの基本的なモデルについて」 https://www.marulabo.net/docs/20161220-deeplearning-handson-google/ ● 2015/12/22 「機械学習技術の現在 2」 https://www.marulabo.net/docs/20151222-marulec04/ ● 2014/12/04 「エンタープライズと機械学習技術2 — Big Data と Deep Learning —」 https://www.marulabo.net/docs/20141204-marusemi04/ ● 2014/11/25 「エンタープライズと機械学習技術1 — Big Data と Deep Learning —」 https://www.marulabo.net/docs/20141125-marulec04/ ● 2014/09/26 「人間の思考、機械の思考

情報の時代の始まり -- 1950年代

【 情報の時代の始まり -- 1950年代 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「情報の時代の始まり -- 1950年代」を公開しました。 https://youtu.be/viP_9_wikbM?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/13CLanZSMd29o8bNVo0Xo1vGNsraet18c/view?usp=sharing 「情報」という言葉が、科学・技術の世界で広く使われるようになったのは、20世紀半ばのシャノンの「情報理論」の登場からです。 ほぼ同じ頃、フォン・ノイマンらが現代のコンピュータの基礎を築き、チューリングは人工知能を構想します。また、ワトソンとクリックが生命の情報過程を担うDNAの構造を解明します。 情報の時代の幕開けです。 今回は、この1950年前後の時代を振り返ってみようと思います。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1. 認識について考える -- 対象と方法 -- https://youtu.be/xY6Abw_cBTg?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 2. 認識について考える -- 意識と認識 -- https://youtu.be/3eHDmZHAdC4?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 3. 感覚能力の外的拡大 1  -- 視覚-- https://youtu.be/6uA1pn5vv-0?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 4. 感覚能力の外的拡大 2  -- 時間感覚 -- https://youtu.be/mjDdyCPCx2g?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas =================================  

感覚能力の外的拡大 2 -- 時間感覚 --

【 感覚能力の外的拡大 2 -- 時間感覚 -- 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「感覚能力の外的拡大 2 -- 時間感覚 --」を公開しました。 前回は、人間の感覚能力の拡大として、視覚の外的拡大を見てきました。今回は、時間の感覚の外的拡大の話です。 https://youtu.be/mjDdyCPCx2g?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas スライドのpdf版には、こちらからアクセスできます。 https://drive.google.com/file/d/12ckJb_qprvV8i4_VtxW_ebp1uH-ITBtF/view?usp=sharing 以下、概略。 現代の人間の「時間感覚」は、独特なものだ。動物の時間感覚が、その体内時計によってコントロールされているのに対して、現代人は、基本的には、「時計」という機械に依拠して時間を知る。 人間の「時間感覚」と「時計=機械」の結びつきは、この数百年の短い間に歴史的に形成されたものだが、その結びつきは強いものだ。今では、多くの人にとって、時計の表象なしに時間について考えることはむずかしいだろう。 機械の利用が、人間の能力を拡大すると考えれば、人間ほど鋭敏な時間感覚を持つ生物は存在しない。その特徴の一つは、その「正確さ」であり、もう一つは、「同時性」という観念を発展させたことである。 ------------------- 前回と今回のショートムービーは、2020年の10月末に開催した、マルゼミ Interactive Proof 入門 第一部「機械と人間のインタラクション」のショートムービーの一部を再利用しています。 https://www.marulabo.net/docs/interactiveproof/ ------------------- ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1. 認識について考える -- 対象と方法 -- https://youtu.be/xY6Abw_cBTg?list=PLQIrJ0

感覚能力の外的拡大 1 -- 視覚--

【 感覚能力の外的拡大 1  -- 視覚--  】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「感覚能力の外的拡大 1  -- 視覚-- 」公開しました。 科学的認識の現在を考える時、忘れてならないのは、我々自身の感覚能力が、飛躍的に拡大していることです。主要には、機械の助けによって。今回のスライドには、人間が作り上げた巨大な観測機械と、それによって得られた宇宙の画像がたくさん入っています。 お楽しみください。 https://youtu.be/6uA1pn5vv-0?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 前回見たように、万人に共有される「理性」という概念は、「科学革命」の扉を開き、それに続く「産業革命」を準備した。それはまた、自由・平等・人権といった近代市民社会の思想の先駆けでもあった。 ただ、そうした思想の力だけで、科学的認識の拡大の道が拓かれた訳ではない。科学的認識の拡大の上で、人間の感覚能力の外的な拡大が、おおきな役割を果たした。 まずは、「視覚」の能力の拡大を見ておこう。 「視覚」は、生物が外界を認識するために、進化を通じて発達させてきた能力である。ただ、人間は、生物学的な進化以外の方法で、「視覚」の拡張を果たしてきた。 それは、人間が、望遠鏡や顕微鏡といった視覚を拡張する新しい機械を発明し、それを利用することでなされた。 そうした機械の進歩は、現在も続いている。ここでは、近代科学の成立にも、現代科学の発展にも大きな役割を果たしている「視覚」を拡張する機械の話をしようと思う。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1. 認識について考える -- 対象と方法 -- https://youtu.be/xY6Abw_cBTg?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 2. 認識について考える -- 意識と認識 -- https://youtu.be/3eHDmZHAdC4?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas

認識について考える -- 意識と認識 --

【  認識について考える -- 意識と認識 -- 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「認識について考える -- 意識と認識 --」公開しました。ご覧ください。 https://youtu.be/3eHDmZHAdC4?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas <欲望> 生物の意識の最も古い起源は、「欲望」だと筆者は考えている。 個体のエネルギー代謝過程を維持し生存しようとする「欲望」、個体の遺伝情報を次世代に伝えようとする種保存の「欲望」は、すべての生物が持つ基本的な「欲望」である。 それは、単純な個別の「感覚-運動」の「刺激-反応」に帰着されるものではなく、それらの全体を、種保存の目的のためにコーディネートし、コントロールするドライバーである。 <意識> 欲望という意識のプリミティブな形は、生物が進化の中で発展させてきた、その「本能」と一体のものだ。 やがて、環境への柔軟でより高度な適応のために、欲望という本能と一体の意識の原基から、本能とは区別された「意識」が分離を始める。 ほとんどの動物は、意識を持っている。 <人間の意識> 地上の動物で、意識をもっとも高度に発達させたのは、人間である。 その意識の特徴の一つは、人間が他の動物とは違うものであるという意識、人間としての共通性、類としての自覚が生まれたことである。 それは、人間が作り上げた「宗教的意識」の結果である。 歴史的には、超越的なものとの関係で、我々は、我々が等しく無力な存在であることを知るようになったのかもしれない。 <「理性」の概念> 話は少し飛ぶ。 デカルトは、「明晰かつ判明に認識されるところのものは真である」とする。 同時に、そうした判断能力は、生まれつき全ての人に備わっているとする。 これは、類的存在としての人間の共通性の新しい認識である。それは、人間の認識能力を「理性」として特徴付ける新しい時代を準備するものだった。 ================================= 楽しい哲学「認識について考える」のまとめページ  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= ============================

認識について考える -- 対象と方法 --

【 認識について考える -- 対象と方法 -- 】 10/29 マルレクにむけたショートムービー「認識について考える -- 対象と方法 --」公開しました。短いです。ご覧ください。 https://youtu.be/xY6Abw_cBTg?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas ================================= 楽しい哲学「認識について考える」へのお誘い  https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1.「情報と認識」について https://youtu.be/0ou1hWine0U?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 2.「自然認識の拡大」について https://youtu.be/fiGGC3qHglw?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 3.「数学的認識」について https://youtu.be/dtHorBgsRtA?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 4.「認識の認識」について https://youtu.be/b4t-sDc0QYg?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas =================================  セミナー楽しい哲学「認識について考える」  へのお申し込みはこちらです。   https://philosophy01.peatix.com/ =================================

楽しい哲学へのお誘い 4 -- 「認識の認識」について

【 楽しい哲学へのお誘い 4 -- 「認識の認識」について 】 10/29 マルレク 楽しい哲学「認識について考える」へのお誘いの第四弾です。 https://youtu.be/b4t-sDc0QYg?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas 認識の認識とは、認識について考えること、認識を認識の対象とすることです。 対象としての認識には、ふたたび、<対象と認識>が現れます。 確かに、対象のない認識を考えることは可能です。「我思う。故に、我有り。」という時の「我思う」は、特定の思惟の対象を問題にしている訳ではありません。 ただ、ここでは、認識とは、「なにものかについての認識である」と考えることにします。 対象としての認識には、ふたたび、<対象と認識>が現れることを、「認識の二項性」と呼ぶことにしましょう。それは、素朴には、認識の「客体」と「主体」の二項性と考えて構わないと思います。 認識のそれぞれの二項は、それぞれ別の世界に属しています。その項がどのような世界への帰属であるかは、認識のタイプごとに様々です。 例えば、物理学だったら、  「対象としての自然」と「自然の法則」。 これは、少し、抽象度をあげた  「物質の世界」と「情報の世界」 の、ヴァリアントかもしれません。 数学だったら、  「数学的対象」と「数学」 ですが、これは、  「モデル」と「理論」 の方が、いいかもしれません。 ただ、これは、  「情報の世界」と「情報の世界」 の関係に帰着します。 認識の「二項性」とならんで、それが「認識」であることから要請される重要なモメントに、その二項が、その帰属するクラスが異なっていっても、何らかの「同一性」を持たないといけないということがあります。その「同一性」が、どのように担保されるかということについても、考える必要があります。 =================================  楽しい哲学「認識について考える」へのお誘い    https://www.marulabo.net/docs/phylosophy01/ ================================= 1.「情報と認識」について https://youtu.be/0ou1hWine0U?list=PLQIrJ0f9gMcOlromn

10/29 マルレク「認識について考える」

【 10/29 マルレク 楽しい哲学「認識について考える」のお誘い】 今回のマルレクは、人間の認識について考えます。 まず、認識を情報の言葉で語ってみようと思います。 認識論には、西洋哲学ではプラトン、アリストテレス以来の長い歴史があるのですが、伝統的な哲学的認識論には「情報」という概念はありません。「情報」という概念は、新しいものです。 それが、科学・技術の世界で広く使われる画期となったのは、20世紀半ばのシャノンの「情報理論」の登場からです。シャノンは世界最大の電話会社だったAT&Tの設立したベル研究所の研究者でした。ほぼ同じ頃、フォン・ノイマンらが現代のコンピュータの基礎を築き、ワトソンとクリックが生命の情報過程を担うDNAの構造を解明し、チューリングは人工知能を構想します。情報の時代の幕開けです。 20世紀半ばの偉大な発見から半世紀が経過し、21世紀初頭には、GAFAに代表される新しい情報企業が、社会的・経済的に巨大な力を持つようになります。また、インターネットやスマートフォーンといった情報技術を、グローバルな規模で、誰もが利用するようになり、「情報」という言葉は、我々にとって身近な日常語になりました。 現代の我々の認識は、こうして構築され拡大を続ける新しい情報の世界と深く結びついています。情報の時代、人間の認識は、そのスタイルにおいてもその能力においても、大きく変わりつつあります。そのことは、個人的なプロセスとしてではなく社会的なプロセスとして認識を捉えた時、一層明確になります。情報のシステムは、本来、個人に閉じたものではなく、社会的なものだからです。「パンデミック」の「認識」(とそれへの対応)は、そうした例の一つだと思います もっと基本的なレベルで、認識と情報は結びついています。認識されたものは「情報」として捉えることができるからです。同語反復的言い換えに思えるかもしれませんが、そうではありません。そこでは、次のような問いかけが可能となるからです。 「その情報はどのようにして生まれたのか?」「それは、どのように伝えられたのか?」「それは、どのように我々のものになったのか?」「それは、同一の情報なのか?」... 認識について考える際に、情報との関係以外にも重要なことが、他にもいくつかあります。 一つには、我々が「どのような認識を、既にもっているのか

楽しい哲学へのお誘い 3 -- 「数学的認識」について

【 楽しい哲学へのお誘い 3 -- 「数学的認識」について 】 10/29 マルレク 楽しい哲学「認識について考える」へのお誘いの第三弾です。お聴きください。(YouTube じゃなくて、Podcastでよかったですね。) https://youtu.be/dtHorBgsRtA?list=PLQIrJ0f9gMcOlromnKjdDMRcVr1BnJJas ガリレオは、「自然は、数学という言葉で書かれた書物だ」と言いました。 ニュートンの力学は、ニュートン、ライプニッツによる「微積分学」という新しい数学の創出によって可能となりました。 アインシュタインは、その相対性理論が、ユークリッドの幾何学とは異なるリーマンの幾何学によって基礎づけられることに気づきます。 自然の認識の発展は、数学の発展と密接に結びついています。 ニュートンの 「プリンキア・マテマティカ」は、" Philosophiae Naturalis Principia Mathematica" で、「自然哲学の数学的諸原理」というものです。 それは「自然哲学」として意識されていました。 20世紀になって、ヒルベルトは、「無矛盾性」を指針として、数学の公理化・形式化を進めることを提案します。「ヒルベルト・プログラム」とよばれるものです。ZFCと呼ばれる集合論の公理化が完成するのもその頃です。 それは、大きな流れでいうと、「自然哲学」とは区別される、数学の独自性を明確にしようとする動きと考えることができるかもしれません。こうした動きは、20世紀の数学に大きな影響を与えます。現代数学と独立を果たしたその王国は成長と拡大を続けます。 数学の世界と数学的認識の拡大は、同時に、数学の基礎に対する反省を伴っていました。「ヒルベルト・プログラム」に対するゲーデルの「不完全性定理」、ZFCに対するコーヘンの「連続体仮説の独立性証明」。こうした発見は、数学の世界の多様性と豊かな複雑さを、多くの人に印象付けました。 もう一つの注目すべき動向は、改めて、数学的認識と自然認識との関係を捉え直そうという動きです。それについては、セミナーで触れていきたいと思います。 =================================  楽しい哲学「認識について考える」へのお誘い     https://www.m