2018 f8 選挙介入疑惑




ゴールデンウィークが、アメリカでは休みでないことは、今年はよくわかる。Facebookのf8、MSのBuild、Google I/O と、IT業界の大きなイベントが続いている。
技術的には、いろいろ新しい動きがでてくるだろう。So What? とまで言うつもりはないが、それは、IT業界の年中行事で、いつものことでもある。
その中で、今年の f8のザッカーバーグのキーノートは、別の意味で興味ふかいものだった。https://goo.gl/EzpMWr 彼は、キーノートの冒頭、Facebookが重点的に取り組むべき三つの課題を挙げる。
 ・選挙の公正さを守る
 ・フェーク・ニュースと戦う
 ・データのプライバシー
もちろん、これは全米で大問題になり、ザッカーバーグ自身が議会での証言を余儀なくされた、ケンブリッジ・アナリティカ社によるFacebookの個人データを利用した選挙介入疑惑に対する回答でもある。
写真は、ケンブリッジ・アナリティカ の親会社のSCLエレクションズ社のホームページの、同社が「マイクロ・ターゲティング」が得意であることを誇示した写真。少し、気味が悪い。(現在、両社とも破産宣告して、業務を停止している。)
FacebookだけでなくGoogleもAmazonも、個人へのターゲット広告に、個人情報とAI技術を利用している。同じBig 4でもAppleのスタンスは、少し違っている。この間の問題での、Appleのティム・クックのFacebook批判は、こちら。https://goo.gl/UqMt3D それに対するザッカーバーグの反論は、こちら。https://goo.gl/noQLfV
今日からのGoogle I/Oで、このあたりの問題に、何か触れられるかどうか、少し興味はある。
本当は、個人のプライバシーとターゲット広告の問題は、現在のITビジネスのみならず、現代社会の中心的な問題の一つなのだが。しかも、多くの人が、そうした問題の存在に気が付き始めているのは、大きな変化だ。ただ、Googleが、踏み込んだ話をするようには思えない。
一方、「「つくること」「つなげること」をやり続ける。」「我々は、楽観主義者だ。」という、今年のf8でのザッカーバーグのキーノートは、問題を真正面から受け止めつつ、前進しようという姿勢を示したものとして、僕は好意的に受け止めた。
皮肉なことかもしれないが、皆に「最悪」と槍玉にあげられたFacebookが、一番真剣に、こうした問題に取り組むことになるような気がしている。追い込まれてそうなったと見ることもできるのだが、それは、おそらくGoogleにもAmazonにもできない課題かもしれないと思う。
インターネットにしろソーシャル・ネットワークにしろAIにしろ、「こんなはずではなかった」という思いを持つことは多い。期待と落胆を繰り返し経験すると、なかなか、能天気に技術だけを信頼する気にはならないのだ。まあ、いいか。
ただ、未来に対して落胆しても、いいことはないとも思う。僕のスタンスは「悲観的楽観論者」といったものだ。
「悲観的」というのは、技術は使われ方次第で、いいものにも悪いものにもなるということ。当たり前だ。現状では、技術が、我々皆をハッピーにするとは限らないだろう。そういう意味では、僕は悲観的だ。
ただ、技術に助けられて、我々は未来を開いていくのだと思う。その点では、僕は楽観論者だ。

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