6/26マルレク「量子コンピューティングの現状と課題」のお知らせ



6月26日、渋谷のGMOさんで、マルレク2018第二回を開催します。テーマは、「量子コンピューティングの現状と課題」です。
開催概要は、https://quantum0626.peatix.com/view に、お申し込みは、少し先になりますが、6/17からです(マルレク個人協賛会員は6/12から)。
興味のある方、是非、いらしてください。
以下、開催概要から。
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「近未来の計算技術」としての量子コンピューティングに対する関心は、高いものがあります。本セミナーは、量子コンピューティングの現状と課題について、情報を共有することを目的としています。
ここでは、今回のセミナーの前提となる量子コンピュータの歴史の部分を紹介したいと思います。
量子コンピュータのコンセプトは、1982年に物理学者のファインマンが、「量子力学をコンピュータでシミュレートする」というアイデアを出した時に遡ります。1986年には、物理学者のドイッチェが、コンピューターの計算可能性を理論的に定式化した「チャーチ・チューリングのテーゼ」を、量子コンピュータにも拡張します。ただ、この80年代、量子コンピュータに対する関心は、物理学者の一部に限られていたと思います。
90年代に入って、IBMのショアが、量子コンピュータを用いた素因数分解アルゴリズムを発見します。1994年のことです。量子コンピュータに対する関心は、IT業界も巻き込んで大きく広がります。なぜなら、ショアのアルゴリズを実行するマシンができたら、現代のネットワーク社会のセキュリティの基礎である暗号化技術はたやすく破られるからです。 
幸か不幸か、ショアのアルゴリズムが動く量子コンピュータは、実現できませんでした。ショアのアルゴリズムを実装するために必要な量子周囲の数は膨大なもので、かつ、周囲のノイズの影響を強く受ける量子回路には不可欠な量子エラー訂正回路も、量子回路の数を雪だるま式に増やすことになります。重要なことは、こうした状況は、現在も基本的には変わっていないのです。こうして、量子コンピュータに対する関心は、だんだん醒めて行きます。
2010年代に入って、量子ゲート型の量子コンピュータの将来性に見切りをつけた人たちが、新しいアーキテクチャーである量子アニーリング型の量子コンピュータを開発し、商用化します。ローズ率いるD-Wave社は、その代表例です。ただ、彼らの「量子コンピュータ」が、本当に、量子的な効果を利用していて、古典的なコンピュータより速いかをめぐって、激しい論争が巻き起こります。
こうした歴史を知ることは、現在の量子コンピュータの到達点と課題を、理解する上で基本的な前提になると思います。
ここから、セミナーの本論部分が、始まります。
セミナーの主要な内容は、昨年(2017年)12月に行われたカンファレンス「ビシネスのための量子コンピューティング」で、物理学者Preskillが行った基調講演の紹介です。"Quantum Computing in the NISQ era and beyond" https://arxiv.org/abs/1801.00862v2
詳しくは、セミナーで!
・量子コンピューティングの可能性
・NISQ (Noisy Intermediate-Scale Quantum) とは何か?
・「量子優越性」を具体的な問題ごとに考える
  ・量子最適化の問題
  ・量子アニーリング
  ・量子エラー訂正回路
  ・量子ディープラーニング
  ・QRAMと量子逆行列変換

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