「1からの射」

【「1からの射」】

6/25のセミナーにむけて、基本的な用語と図式の解説を始めています。

カテゴリー論では、図を使うことが多いのですが、それぞれの図はそれぞれの意味を持っています。数式でも同じことを表現できるのですが、だんだん、図の方がわかりやすいと感じるようになります。

今回は「1からの射」という図式 -- 1から矢印が伸びている図式が、どういう意味を持っているのかの説明です。図式というより、図式を構成している図式の断片、図式の「部品」の説明ですね。

部品といえば、この図式の断片に現れる 1 も、ただの数字の1 ではないんです。それは一つの要素しか持たないオブジェクトを表しています。

射 1-> X は、カテゴリー論的には、ざっくりいうとXの要素を表現するのですが、集合Xの要素を「1からXへの射」として捉えるこの解釈は、集合論からカテゴリー論への移行にとって、もっとも基本的なものです。

このセッションでは、この部品を応用して確率分布を表現する方法を述べています。

「1からの射」だけでなく「1への射」も、今回のセミナーでは大事な役割を果たします。今回のセミナーの内容を要約すると「カテゴリー 1へのFunctor」としてエントロピーは解釈できるという話ですので。(Functorも射の一種です)

余談ですが、同じ確率分布に、さまざまな表現があることに注意した方がいいかもしれません。

 確率分布 (X,p)
 確率分布 X
 確率分布 p

文脈にもよりますが、これらは、同じ意味で使われます。紛らわしいかもしれませんね。

YouTube:
https://youtu.be/vOy8zK4od7A?list=PLQIrJ0f9gMcPcLv9Xw1F4OnNfO1d9lxxh

スライドのpdf版は、こちらからアクセスできます。https://drive.google.com/file/d/1hdEDX6o3Mm5WiMO90CmTvbur2eJk0qIR/view?usp=sharing

このシリーズのまとめページは、「エントロピー論とカテゴリー論」です。https://www.marulabo.net/docs/info-entropy5-addendum/

セミナーへのお申し込みは、次からお願いします。
https://ent-cat.peatix.com/view

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