投稿

息子の息子

生後12日目の孫に、はじめて会う。まだまだちいちゃい。 パパになった息子が「かわいい。かわいい」というのが微笑ましい。「お前だって、可愛かったよ。」と思う。でも、言葉にすれば、「過去形」で嫌味を言っているようにもなるので困る。 「目が開いて、手を振り回して、指で握れる。一週間前にはできなかったことができるようになってる。」 そうだろ、そうだろ。まだ、ハイハイもできないのに「這えば立て、立てば歩めの親心」状態だ。僕らもそうだった。 僕と彼女は、「僕らは、これから、一週間前にはできたことが、できなくなるんだね。」と、ブラックなジョークで大笑いをする。 この子と話をしたいと思うのだが、もう少し、長生きしないといけないんだ。反抗期の君に、君のパパとママが、君が生まれたことどんなに喜んだか、伝えてあげる。 といっても、この子が多分見るだろう50年後の世界を、僕が見れないことは確かだ。また、それに責任を持つこともできない。 この子と世界の未来が、平和で豊かで、明るい希望に満ちたものになることを祈るばかりだ。

10月15日「楽しい数学 第三夜」を開催します

イメージ
「楽しい数学:第三夜」のテーマは、「計算理論入門 --「やさしい計算」と「むずかしい計算」」です。 わかりやすい「計算理論」の入門にしたいと思っています。有名なゲーデルの不完全性定理と、これもまた有名なチューリング・マシンの話をします。あと、あまり有名ではないゲーデルの完全性定理の話をします。 お申し込みは、 mathnight3.peatix.com   からお願いします。 時間があれば、「計算可能性の理論」から「複雑性の理論」への進化を紹介したいと思っています。参加者には、関連資料として、先日角川さんで行われた「人工知能を科学する」第一回の講演資料「人工知能と複雑性理論」を提供します。 冒頭に、次のような「思考実験」の課題をあげています。興味があれば、自分の頭で考えてみてください。 思考実験1:二桁の数どうしの計算について、小学校で習った足し算・引き算・掛け算の計算の仕方を、すべて「文章」で記述してみよう。それぞれ、400字以内にまとめられるか? 思考実験2:「二分の一を三分の二で割る」を、「例え話」で説明せよ。 思考実験3:ある人が、「私の言うことはすべて嘘である」と言ったとしよう。この人のこの言葉は嘘だろうかか? 嘘ではないだろうか? 「楽しい数学」、引き続き、よろしくお願いします。

「防弾少年団」国連で演説

いまや世界的なポップスターになった「防弾少年団」の国連での演説  https://goo.gl/vrr3vr  を、アメリカのメディアが大きく報道している。 いいメッセージだ。 "Love Yourself" から、"Love Myself"へ。今度は、"Speak Yourself" ということかな。 「私たちは、世界中のファンから寄せられた素晴らしい物語に耳を傾けることからはじめました。私たちのメッセージが、いかに彼らが生きることの困難を乗り越え、自分自身を愛することを助けたか。これらの物語は、いつも私たちに私たちの責任を思い起こさせました。」 「だから、みなでさらに次のステップに進みましょう。私たちは、もう、自分自身を愛することを学んでいます。今、私はあなたに "自分自身を語ろう"と、強く呼びかけます。」 「あなたの物語を話してください。あなたの声を聞きたいし、あなたの信念を聞きたいと思います。あなたが誰であれ、どこの出身であろうと、肌の色や性別にかかわらず、自分のことを話してください。」 Lady GaGa の"Born This Way"もそうだった。XXX Tentacionも、よく聞けば、同じメッセージを若者に伝えようとしている。 自分を愛することができず、自分の思いを口にできない若者がたくさんいるということなんだが。

「人工知能を科学する」の第一回目「人工知能と複雑性理論」

イメージ
角川さんでの連続講座「人工知能を科学する」の第一回目「人工知能と複雑性理論」の様子です。3時間コースでした。長ければいいというわけではないのですが、MA(Merlin-Arthur)クラスの説明、もう少しきちんとできればよかったかなと思っています。 「人工知能を科学する」の第二回は、「人工知能と自然言語」で、10月26日の開催です。申し込みは、こちらから。 https://lab-kadokawa70.peatix.com/   セミナーが終わった後は、遠藤さんとMaruLaboメンバー4人で、中華を食べに行きました。

歯が抜けた

イメージ
歯を磨いていたら、歯が一本抜けました。 「髪は長い友達」というコピーありましたが、あれは半分嘘ですね。この「友達」は、結構な数、僕を裏切って去って行きました。その際、前頭葉の一部も持って行かれました。僕の毛根、ニューロンと一体化していたようです。 それなら、歯だって長い付き合いですよね。前歯だったので、相当長い付き合いです。なんの痛みもなく、安らかな最後だったのですが、見かけの小ささ以上に、舌先が感じる喪失感は、大きなものがあります。 長年の献身に敬意を表して、お葬式でも出さなくちゃと思ったら、彼が生まれた時、なんかしたような記憶がぼんやりと浮かびました。よくは覚えていないのですが。 こんな絵本がありました。「はがぬけたらどうするの?―せかいのこどもたちのはなし」 https://goo.gl/7qvbVF 乳歯が生え変わる時に、抜けた歯に、いろいろおまじないの儀式をする風習は、世界中に広がっているんですね。 絵本どうりにしようと思ったのですが、困りました。 屋根の上に投げるにしても、今住んでるビルの屋根は高くて、届きそうもありません。土に埋めるにしても、家の近くはコンクリートで土がありません。 当面、悲しみに耐えて静かに喪に服しますので、「かっこうが悪い」と本当のことを言ったり、「はやく歯医者に行けよ」と正しいことを言わないでもらうと嬉しいです。

Atiyah

イメージ
John Baezが、Atiyahの「リーマン予想解いたぞ」発表に、連続ツィートしていた。 https://goo.gl/FhZrz4 「みんな御大に遠慮しているみたいだけど、僕が貧乏くじ引くよ。でも、アティヤのこと、僕は、とても尊敬してるんだけどね。」 アティヤ、87歳か。ある意味で、すごいなと思う。よし、僕は、120歳でリーマン予想解くことにしよう。その歳になれば、大抵のことはきっとできると思う。

「人工知能と複雑性理論」:はじめに

イメージ
9/27 角川さんで開催の「人工知能と複雑性理論」の「はじめに」の部分できました。ご利用ください。 https://lab-kadokawa67.peatix.com/ ---------------- 小論は、人口知能研究の今後の発展の方向を、数学的・物理学的認識可能性の理論でもある「複雑性理論」の成立・発展を中軸にして考察したものである。 なぜ、数学的・物理学的認識が問題になるのか? もちろん、人工知能研究の基本的な問題は、「機械は考えることができるか?」という、チューリング以来の問題である。 「機械が考えること」の中に、感覚=運動的な認識能力だけでなく、言語的な認識や数学的認識を含めると問題は急に難しくなる。ただ、こうした問題を避けるわけにはいかないと、筆者は考えている。また、人工知能は、理論的な構成物としてではなく、物理的なものとして実装されねばならない。 人間と機械の数学的・物理的認識の限界を(筆者は、両者は同じ限界を持つと考えている)、知ることは、すなわち、人工知能の認識の限界を知ることに他ならない。 人工知能研究の現状からいうと、問題をかえって難しくしているだけと感じる人もいるかもしれない。ただ、「複雑性理論」を視野に入れると、未来についての見通しは、むしろ良くなると筆者は感じている。 「複雑性理論」の第一世代は、1950年代に定式化される「計算可能性理論」である。それは、数学的・形式的な抽象的なものでしかなかった。 「複雑性理論」の第二世代は、1970年代に始まる「計算複雑性理論」である。それは、コンピュータの爆発的普及に刺激を受け、コンピュータの能力を意識したものであったが、数学的・形式的なものであった。(もっとも、その基本問題である P=NP? 問題は、そうした性質を持ち続けている) 「複雑性理論」の第三世代は、1980年代の「理論的可能性」としての「量子コンピュータ」の登場とともに始まる。 この第三世代は、「複雑性理論」の発展としては、「量子複雑性理論」の成立として特徴付けられるのだが、その過程は、 「情報過程=物理過程」という認識によって支えられていた。 同時に、それは、「物理過程=情報過程」という認識の成熟でもあった。ブラックホールやエンタングルメントのエントロピーの発見、ブラックホー