「超能力者」の不思議なゲーム2

昨日の続きです。
「超能力者」チームにとって最善の戦略を考えてみましょう。(図1)
チームが勝てるのは、コインが両方とも「裏」で両方とも「黒」と叫んだ時だけですから、「裏」が出たら「黒」と叫ぶのは必須です。これが基本戦略です。
それでは、コインが「表」だったら、どうすればいいのでしょう? 「白」と叫ぶか「黒」と叫ぶか?
「表」が出たらを「白」と叫ぶことにしましょうう。図のオレンジの線で囲まれたところが、可能な組み合わせです。(もちろん、「裏」が出たら無条件で「黒」を選んでいます。)
この時、6通りの場合があるのですが、その中で、「超能力者」チームが勝つ場合の数は一回で、胴元が勝つ場合の数が二回ということになります。この戦略では、胴元に敗れます。
それでは、「裏」が出ても「黒」と叫ぶという戦略はどうでしょう? 要するに、コインの「裏・表」に関係なく、二人とも「黒」と叫び続けるという戦略です。
図の青い線で囲まれたところが可能な組み合わせになります。この時、「超能力者」チームが勝つ確率と、胴元が勝つ確率は同じになります。
多分、これが最良の戦略です。ただ、これは必勝の戦略ではありません。
ところが、勝負の当日、「超能力者」チームは、それぞれの部屋に膨大な数の容器(4000個! これはゲームの予定された回数です)とPETEと書かれた機械を持ち込みます。
これ、量子コンピュータなんです。量子コンピュータを持ち込んじゃいけないというルールはありませんでしたから。
勝負の結果は、「超能力者」チームの圧勝で、胴元は一ゲームも勝つことができませんでした。このゲーム、量子コンピュータを使うと、「必勝法」があるのです!
どうすればいいかわかりますか?
続きは、3/25マルレクで。
---------------------
3月25日、DMMさんで開催のマルレク「量子コンピュータをやさしく理解するための三つの方法」の告知ページ公開しました。https://easyq.peatix.com/予告編のビデオはこちらです。https://goo.gl/AuPbwh

コメント

このブログの人気の投稿

マルレク・ネット「エントロピーと情報理論」公開しました。

初めにことばありき

宇宙の終わりと黒色矮星