量子コンピュータでハンズオン

今度、IBMさんが公開を始めた量子コンピュータでハンズオンをしようという計画を立てていて、本当に何十人もの人が同時に使えるだろうかと、ちょっとハラハラしている。
僕一人で確かめた範囲では、量子コンピュータ、ちゃんと動くのだが。なんか昔のことを思い出した。
院生時代、大学の「大型計算機センター」というところで、プログラム指導員というアルバイトをしていた。「大型計算機センター」というのは、今では死語だと思うが、当時は、コンピュータはそこにしかなくて、そのコンピュータに一日何百人もの人が群がって計算していたのだ。
量子コンピュータも、今は、同じような状態にあるんだなと思う。
僕が最初に触れた大型コンピュータは、当時「世界最大級」といわれた 日立の8800/8700 というマシンだった。10年後ぐらいに稚内の大学に移るとき自分の研究室に、Sun3/260というマシンを入れてもらったのだが、そのメモリーが8800/8700と同じ容量だったのが、これ一人で使えるんだと、嬉しかった。
でも、その「世界最大級」のメモリー容量は、たったの8MBだった。
8MBのメモリーに、何百人も群がっていたのだから、16qubitの量子コンピュータに何十人かでログインしてもきっとだいじょうぶだろう。(全然、論理的ではない)
ハードウェアに関して言えば、古いものは新しいものに、逆立ちしてもかなわない。
また思い出した。
大学のマシンが、8800/8700から、同じく「世界最大級」のM160だかにリプレースされた頃、LISPのヒープ領域が、128Kから1024Kに拡大された。素晴らしい! これでなんでも出来ると一瞬思ったのだが、そんなことは全然なかった。
メモリーの単位間違ってませんかと、今の若い人は思うだろうが、どんなにメモリーがあったとしても、どんなにマシンが早くなったとしても、「実際には」計算できないことはたくさんある。
量子コンピュータが、そうした壁の「一つ」を乗り越えることに期待している。
今の若い人が、ジイさんになった頃、「16qubitですか! 僕が使っている16Gqubitじゃないんですね!」と言われる日がくるだろう。

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