「状態」をプロセスとして表現する

【「状態」をプロセスとして表現する 】

String Diagram では、「状態」を特別な「プロセス」として捉えます。

先に、次のものを特別なプロセス考えようと言いました。

 1. 入力を持たず出力のみを持つプロセス
 2. 出力を持たず入力のみを持つプロセス
 3. 入力も出力も持たないプロセス

この 1. の 入力を持たず出力のみを持つプロセスを「状態」と考えるのです。Diagram としては、逆三角形から上に出力を表すワイアーが一本出ている図形で表します。

こういうことです。

ある系Aが、可能的には複数の状態を取りうるとしても、こうした図形で表される「状態」は、ある操作からなる「準備過程」によって作られた、系Aの「特定」の「状態」です。

入力を持たないということは、このシステムの来歴を我々は知らないことを意味しています。例えば、「ここに |0> に初期化された qubitがある」という時、我々は、その状態がどのように準備されたかについて知る必要はありません。

「状態」のDiagramの双対として、「効果」というDiagram を考えます。それは、先の図の天地をひっくり返したものです。それは、2. の出力を持たず入力のみを持つ特別なプロセスです。

「効果」はあるシステムによるものなのですが、出力を持たないというのは、その後、その結果は二度と使われることがないことを意味します。その意味では、「効果」の最も簡単な例は、システムが破壊され、以前のシステムを無視することだと考えることができます。

「効果」のもう一つの解釈は、それを「テスト」と考えることです。我々が、ある「効果」が起きたというということは、我々がシステムを「テスト」して、ある特徴が確認できたということです。

3. のケースは、「状態」のプロセスの出力を「効果」のプロセスの入力につなげた時、起こります。String Diagramでは、それは「数」を表していると解釈します。


ショートムービー「状態と効果と数」を公開しました。

https://youtu.be/Yz_ZkfdgW-E?list=PLQIrJ0f9gMcPSp_fL7-LZW0yOwYXyvXtb

スライドのpdfは、次からアクセスできます。https://drive.google.com/file/d/1hkzdyODnKk9izki4RwCULuIi_b-RKrsY/view?usp=sharing

このシリーズのまとめページは、こちらです。ご利用ください。https://www.marulabo.net/docs/category01/

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https://string-diagram.peatix.com/

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