がんばれボイジャー 2
【がんばれボイジャー 2】
♪ I'll send an SOS to the world
I hope that someone gets my
Message in a bottle, yeah ♪
宇宙の広さを想像することは意味があると、先に書きました。
一つには、それが、私たちが自然に接する一つの仕方だからです。それも、とても大事な。宇宙について言えば、たとえ私たちの日常がどんなに自然から離れていても、私たちは宇宙を想像することができます。私たちの想像力には生まれつき宇宙が組み込まれているように。(仕事の合間にでも、是非、やってみてください。)
宇宙の広さを想像することには、もう一つの意味があります。
それは、それが、私たちが私たち人間について考える、とても大事な機会を提供してくれるということです。
二つのボイジャーは、Golden Disc と呼ばれる、人間からの「宇宙人」へのメッセージを積んでいました。当時のアメリカの大統領は、そのことの意義を国民向けに、次のように語りました。
「われわれは宇宙に向けてメッセージを送りました。銀河には2000億個もの星があり、いくつかの星には生命が住み、宇宙旅行の技術を持った文明も存在するでしょう。もしもそれらの文明の一つがボイジャーを発見し、レコードの内容を理解することができれば、われわれのメッセージを受け取ってくれるでしょう。われわれはいつの日にか、現在直面している課題を解消し、銀河文明の一員となることを期待します。このレコードではわれわれの希望、われわれの決意、われわれの友好が、広大で畏怖すべき宇宙に向かって示されています。」
ディスクには、次のように書かれています。
「これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、われわれの音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。」
ディスクのコンテンツについては、次のNASAのページからすべてアクセスできます。https://voyager.jpl.nasa.gov/golden-record/whats-on-the-record/
日本語のwiki ページ「ボイジャーのゴールデンレコード」からも、その概要を知ることができます。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89
ただ、先日も述べたように、ボイジャー1号が「近く」の恒星に接近するのは4万年後、ボイジャー2号がシリウスに近づくのは、29万6千年後です。
断言していいと思うのですが、残念ながら、このメッセージを宇宙人に届く可能性は、ゼロだと思います。
(北海道の山中でさえ、SOSを発しながら白骨死体で発見された遭難事件がありました。悪趣味ですが、興味ある方は「SOS遭難事件」でググってみてください。)
それでは、二つのボイジャーが運ぶメッセージは、全く無意味なのでしょうか? 僕は、そうは思いません。それは宇宙人には届かないでしょうが、人間に向けたメッセージとしては、十分意味があります。
先ほど、宇宙について想像してみてと書きました。それは、1分もあれば可能です。ただ、人間からの宇宙人へのメッセージを考えてと言われれば、そう簡単ではありません。それは人間とは何かを考えないといけないからです。
これは、僕の楽観主義でしょうが、宇宙を意識したとき、おそらくは多くの人の人間観には共通のものがあるのではと感じています。
そうしたことを考えるきっかけを与えてくれたボイジャーに、改めて感謝です。
「がんばれボイジャー!」
♪ Walked out this morning, don't believe what I saw
A hundred billion bottles washed up on the shore
Seems I'm not alone at being alone
A hundred billion castaways looking for a home ♪
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