ニューラル・ネットワークの状態を式で表現する

【 ニューラル・ネットワークの状態を式で表現する 】

今回のセッションから、生物のニューロンではなく、コンピュータ上でモデル化された話に入ります。 

ただ、両者のニューロンは、次のような特徴を共有しています。

・ニューロンは、シナプスを通じて入力を受け取る。 ニューロン上のシナプスの数は、ニューロンが受け取る入力の数に等しい。

・シナプスには、「重み」がある。重みの数は、シナプスの数、すなわち入力の数に等しい。

・ニューロンが出力をするか否かは、ニューロン上のシナプスの「多数決」で決められる。ただし、すべてのシナプスが、平等な一票を持つわけではない。シナプスは、その「重み」に応じた投票権を持つ。

・シナプス i が重み Wi を持つ時、入力 Xi に対して、重みを掛けて、Xi・Wi の投票を行う。プラスの重みを出力賛成、マイナスの重みを出力反対と考えよう。

・重みづけられた入力、すなわち投票を、 すべて足し合わす。これが、投票結果。

・投票結果がゼロより大きかったら、ニューロンは「発火」するのか? そうではない。「発火」の条件には、ある閾値がある。それをバイアスという。

・重みと入力の対応する項目同士をかけて、すべて足し合わせて、それにバイアス bを足したものを、「ニューロンの状態」と呼ぶことにしよう。ニューロンの状態の値が、ゼロを超えた時、ニューロンは発火する。

今回のセッションでは、単純なニューラル・ネットワークを対象に、その状態を式で表現することを目指します。 

「単純なニューラル・ネットワーク」と書きましたが、単純と言ってもそこには複雑さがあります。ここでは、次のようなステップで、単純なものから複雑なものへステップを登っていきます。

 (1) 一つのニューロンで、一つの入力を受け取る場合。
 (2) 一つのニューロンで、複数の入力を受け取る場合。
 (3) 複数のニューロンからなる一つの層で、複数の入力を受け取る場合。

これらの場合、ニューロンの状態を、共通の式で表現することができることを知るのが、今回のセッションの獲得目標です。

先に「単純なニューラル・ネットワーク」と書いたのは、入力を受け取る「ニューロンの層」が、一つしかないニューラル・ネットワークのことです。多数の「ニューロンの層」が積み重ねられた「複雑なニューラル・ネットワーク」の状態を、どのように表現するかについては、次々回のセッションで触れていきます。

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ビデオ「 ニューラル・ネットワークの状態を式で表現する 」を公開しました

https://youtu.be/sPkWxgGUA1o?list=PLQIrJ0f9gMcN8dalyOH9sjVK6CQkd7NJw

資料 pdf「 ニューラル・ネットワークの状態を式で表現する 」
https://drive.google.com/file/d/1N77sZnuavyrPWx7at7edYDNeHhhyFKYN/view?usp=sharing


blog: 「ニューラル・ネットワークの状態を式で表現する 
https://maruyama097.blogspot.com/2023/08/blog-post_16.html

「ニューラルネットワークの基礎」まとめページ
https://www.marulabo.net/docs/neural-network/

「ニューラルネットワークの基礎」ビデオ再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQIrJ0f9gMcN8dalyOH9sjVK6CQkd7NJw

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