5/27 マルレク「 "GPT-4 Technical Report" を読む 」へのお誘い
【 5/27 マルレク「 "GPT-4 Technical Report" を読む」へのお誘い 】
このところ数学寄りの内容が多かったので、5月のマルレクは、IT技術者向けに技術の話をしようと思っています。
今回テーマとして取り上げるのは、3月に無署名で発表されたOpenAIの論文 "GPT-4 Technical Report" です。無署名ということは、OpenAIの公式見解だということだと思います。https://arxiv.org/abs/2303.08774
【 GPT-4 System Card 】
この論文本体は、“Introduction” から ”Conclusion”まで、12ページ程の短いものなのですが、先のpdf全体のボリュームは 100ページもあります。
と言いますのは、残りの80ページ以上の付属資料で、OpenAIがGPT-4の技術の到達点と問題点をどのように評価し、その問題点にどう対応しようとしているのかが詳細にレポートされているからです。
特に、付属資料中の GPT-4をどのように「安全」なものにするかという問題にフォーカスした論文内論文(p41 〜 p100 Appendix 含む)である"GPT-4 System Card" は重要な内容を含んでいます。
【 Hallucinations 】
重要な問題の一つは、GPT-4が平気で嘘をつくことです。producing convincing text that is subtly false この論文では、この 'Hallucinations" (「幻覚」でしょうか) の問題が、GPT-4 Observed Safety Challenges の筆頭に挙げられています。
「 GPT-4は「幻覚」、すなわち「ある情報源に関連して、無意味な、あるいは真実でない内容を作り出す」傾向がある[31, 32]。この傾向は、モデルの説得力や信憑性が増し、ユーザーによる過信を招くと特に有害となり得る。[「過信」の項で詳しく説明する。]
逆説的だが、幻覚は、モデルがより真実味を帯びるにつれて、より危険になる可能性がある。なぜなら、ユーザーは、自分がある程度精通している領域で真実の情報を提供するモデルに対して信頼を築くからである。さらに、これらのモデルが社会に溶け込み、様々なシステムの自動化に役立てられるようになると、この幻覚傾向は、情報全体の質の低下を招き、自由に利用できる情報の真実性と信頼性をさらに低下させる要因の1つとなる[33]。 」
( “GPT-4 System Card” 46 page )
( “GPT-4 System Card” 46 page )
こうしたOpenAIの認識は、正しいもののように思います。
【 GPT-4 も変化している 】
OpenAIが懸命にこうした問題に取り組んでいることは、“GPT-4 System Card” が取り上げている膨大な問題のリストを見れば、よくわかります。
同じGPT-4でも、そのバージョンによって、「不適切な質問」に対する回答が改善されています。
こうした取り組み、僕には、フロイトの意識の構造論で、「自我(ego)」を形成するために、剥き出しの欲望のままに振る舞おうとする「エス」に対して、社会的規範を教え込もうとする「超自我 ( super-ego )」の働きを連想させるものでした。はたして、どういう「自我」が形成されようとしているのでしょう?
【 Hintonは、何を危惧しているのか? 】
フロイトはさておき、昨今、HintonがGoogleを辞めたことが話題になっています。
" 'Godfather of AI' leaves Google to warn about technology's risks "
この論文を読むことで、Hintonが何を「危惧」しているのかも、よくわかるのではないかと思います。
ゆっくり時間をかけて、問題を整理したいと思っています。
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「 5/27 マルレク「 "GPT-4 Technical Report" を読む 」へのお誘い 」を公開しました。
https://youtu.be/GGQO1rJhIwA?list=PLQIrJ0f9gMcPPRFNzbnEKyPPybVFmaz0a
資料pdf
https://drive.google.com/file/d/1S_RzghqK64MbU2VaSqm12YzFZMZ7Aq2N/view?usp=sharing
blog:「5/27 マルレク「 "GPT-4 Technical Report" を読む 」へのお誘い 」
https://maruyama097.blogspot.com/2023/05/527-gpt-4-technical-report.html
「GPT-4 Technical Report を読む」まとめページ
https://www.marulabo.net/docs/gpt-4-technical-report/
「GPT-4 Technical Report を読む」申し込みページ
https://gpt4-report.peatix.com/view
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