人間の「生物学的性」の多様性について
今年のGoogle IOで、Genderの質問への回答候補が6個もあることが、話題になっていた。昔、こんなに多かったかしら?
Man
Woman
Non binary/Third-Gender
Prefer not to answer
None of these options apply to me
Optional self-description (enter below)
Woman
Non binary/Third-Gender
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生物学的性と「社会的性」との違いとして理解している人は多いと思うのだが、ただ、新しい発見もある。
それは、「社会」のあり様とは独立に、「生物学的性」そのものが、極めて多様であるという発見である。
Natureの記事を紹介した、3年前(2015/02/19)の僕の投稿から。
46歳の二児の母が、三番目の子供を妊娠して、羊水チェックを受けたのだが、胎児に異常はないことがわかる。ただ、DNA検査の過程で、母親の彼女の体細胞の大部分がXY染色体を持つことがわかる。つまり、彼女の体の大部分は、男性だったのだ。
一つ一つの細胞レベルの、XXが女性、XYが男性という区分は、無数の細胞からなる個体レベルの「性」とは必ずしも一致しないことがある。この論文の、主要な主張は、「性は、スペクトラムである」ということ。"The sex spectrum" という表を見ると、XY 男性と XX 女性の間に、7つの「性」があり、合計9つの性のタイプがあるとまとめられている。
解剖学的な性特徴と遺伝子的な性特徴が一致しないケースを、DSD(disorders of sex development)と呼ぶようなのだが、DSDの割合は、4,500人に一人だという。人口4万5千人の町なら10人。人口45万人の都市なら100人。人口450万の都市なら1000人がDSDであり得るということ。ただ、それは典型的なDSDのケースだけで、先の9つの性というスペクトラムで眺めれば、100人に一人は、典型的な男性でも典型的な女性でもない、他の7つの性に分類される可能性があるという。
この辺りは生物学的議論だが、論文の後半は、DSDの特徴を持つ子供が、18ヶ月の時に、外科的手術で「女性」にされたのだが、8歳になって(多分、養父母が)外科手術は不当だったと、外科医と国を訴えた裁判が紹介されている。裁判は係争中らしい。ただ、アメリカでも「第三の性」を国に認めさせるのは、簡単ではないらしい。
if you want to know whether someone is male or female, it may be best just to ask.
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