エンタングルメントをめぐるドラマ#1
【3/27 「楽しい科学」ダイジェスト -- エンタングルメントをめぐるドラマ #1】
科学の世界は、いろいろなドラマに溢れています。
今回の 3/27「楽しい科学」では、「エンタングルメント」を舞台にしたドラマを紹介したいと思います。https://science-entanglement.peatix.com/
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最初の登場人物はアインシュタインです。彼は、量子論では、二つの量子がもつれあう奇妙な状態が現れることを発見します。1935年のことです。その現象に「エンタングルメント」という名前をつけたのは、シュレディンガーだと言われています。
アインシュタインは、もつれあう量子は強く関連した性質を持ち、一方の性質は他方の性質から簡単に決定できること、そのうえ、こうしたもつれあいは、二つの量子の距離に依存しないことに気付きます。
このことは、二つの量子がどんなに離れていても、一方の量子の状態を観測すれば、テレパシーのように、他方の量子の状態が分かることを意味します。「そんな馬鹿なことはありえない。それだと、光のスピードを超えて情報が伝わることになるじゃないか。」
彼は、量子論が不完全な理論であることを示す「パラドックス」として、「エンタングルメント」を提示したのです。ところが、ボーアをはじめとする量子論の陣営は、このアインシュタインの「量子論批判」を、事実上、無視します。
アインシュタインの「神はサイコロをふらない」という言葉がしめすように、彼は最後まで、量子論に懐疑的であったと言われています。
エンタングルメントをめぐるドラマで、アインシュタインに次ぐ重要な役割を演じる第二の登場人物は、ジョン・ベルです。彼と彼の業績が、多くの人にはあまり知られていないのは、とても残念なことです。
ベルは、アインシュタインらが量子論の不完全さを解決するものとして推進した「隠れた変数」理論を、理論的に否定することに成功します。しかも、自然が、「隠れた変数」理論という古典論に従うか、あるいはエンタングルメントを含む量子論に従うかは、実験的に検証できると指摘します。
事実、アスペたちは、1982年、ベルの主張が正しいことを実験で実証します。ここに、アインシュタインの発見から 50年近く立っていたのですが、量子論の正しさと、エンタングルメントの実在性は、理論的にも実験的にも確認されたことになります。
理論だけでなく実験でも確かめられたのに、ベルはノーベル賞をもらうことはありませんでした。ちなみに、同姓のジョン・ベルが、たくさんいるのですが、日本語wikiの「人名(人物)の曖昧さ回避のためのページ」では、物理学者のジョン・ベルは、まったく出てきません。
ここまででしたら、「アインシュタインも間違うことがある」「しらなかったけど、ジョン・ベルえらい」「まあ、そんなこともある」で一件落着に思うかもしれませんが、実は、そうではなかったのです。
21世紀になって、大逆転が起きます。そうした変化の立役者として登場するのが、第三の人物 マルデセーナです。
実は、アインシュタインは「エンタングルメントはパラドックスだ」という先の論文と同じ1935年に、「二つのブラックホールを結ぶワームホールが存在する」という奇妙なSFのような論文を発表しています。
説明は、次回に。
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https://www.marulabo.net/docs/science-entanglement/
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