分配関数 Z – 統計力学の方法を振り返る

【 分配関数 Z – 統計力学の方法を振り返る 】

https://youtu.be/li-BsDN9JBY?list=PLQIrJ0f9gMcOWKDmKxI3aJ6UYf6gaPa2K

前回、アルゴリズム論的情報量に確率の概念を導入することができて、そうするとシャノンの情報量との関係がわかってくるという話をしました。アルゴリズム論的情報量をある数Zで割ると、その総和が1となるような確率p_n が定義できるということでした。

今回は、そのZがどういうものかという話です。二つの見方を紹介します。

一つは、アルゴリズム論的情報理論的には、ここで導入されたZの値は、ある条件のもとでは、チャイティンのΩに等しくなります。これは、とても面白いことなのですが、今回は深入りしません。

もう一つは、このZは、統計力学的には分配関数と言われるものと同じ役割を果たしているということです。今回は、改めて、統計力学の方法を振り返ってみようと思います。

ある条件が与えられた時に、ある式が極値をもつが条件を考えようというアプローチです。熱力学的には、ある条件として系のエネルギーの平均値Eが与えられた時、エントロピーSが最大になる条件を考えていきます。
 
与えられた拘束条件を、C1 = 0 , C2 = 0 の形で表せば、

  S = S + α・C1 + β・C2

と書き換えることができます。(後ろの二項はゼロですので)

この時、エントロピーSが最大になる必要な条件は、上の式を何らかの変数で微分したとき、その値がゼロになることです。こうして、α、βが満たすべき条件を得ることができます。

具体的には、拘束条件 C1として「確率の和は1になる」、拘束条件 C2として「系のエネルギーの平均値はEである」という条件を利用します。

こうしたやり方を「ラグランジェの未定乗数法」というのですが、その中で、Zを導入します。Zの具体的な導出は、スライドのpdfをご覧ください。

詳しくは、マルゼミ「情報とエントロピー」を参照ください。

ここでは、拘束条件は二つとしたのですが、「ラグランジェの未定乗数法」は、次のような 拘束条件がもっと多い場合にも、同じように使えます。

  S = S + α・C1 + β・C2 + γ・C3 + δ・C4 +  ....

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ショートムービーのpdfファイルは、次から利用できます。https://drive.google.com/file/d/1n4UA2AvgX_C_g-z-w3t22wzqxy2sYu_l/view?usp=sharing

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