P≠NP問題解けた?(2)
P≠NP問題は、Nashが提起した計算の複雑性の階層についての代表的な問題の一つである。計算の複雑性の理論は、古典的には、1930年代のChurch-Turingの「計算可能性」の議論に起源を持つ。
1985年にDeutschは、その定式化を、量子コンピュータを含む全ての物理的な機械の計算可能性に拡大した。Church–Turing–Deutsch principle。ここでの議論は、現代の量子コンピュータの出発点になった。(アイデアは、Feynman が提供した。)
量子論的複雑性理論(Quantum complexity theory)は、古典的な計算複雑性の理論を、量子コンピュータと量子情報理論に拡大したもの。ここでは、古典的なP, NPに対応する量子計算可能性のクラス BQP, QMA が存在する。P≠NP問題の解決が自動的にBQP≠ QMA問題の解決を与えるものではない。(と思う)
量子論的複雑性理論の中心人物が、Scott Aaronsonである。(今日も、彼のblogは更新されていない。自分が追いかけてきた問題が、他の人に解決されるのを見るのは、悔しいのかもしれない。でも、コメントが欲しい。)
ここ数年、量子Entanglementのエントロピーの研究が急速に進んで、物理学の中で複雑性理論への関心が高まっている。関心の中心になったのは、ブラックホールでの情報の在り方である。
何回かに分けて、そのことを説明したいと思う。
(マルレクでも、話ができればいいのだが。)
(マルレクでも、話ができればいいのだが。)
写真は、Raamsdonkの講演で、自分のシャツをアピールする物理学者 Susskind。やんちゃである。胸には、"I love Complexity" と書かれている。Mark van Raamsdonk "Gravity and Entanglement" https://goo.gl/jd9dc4
もう一つの写真は、ブラックホール内部での「情報」についてのHarlow-Haydenの驚くべき議論を紹介するScott Aaronson。"Computational complexity underpinnings of the Harlow-Hayden argument" https://goo.gl/EEr4JU
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