チューリングの予言と現代のAI技術


今から約70年前の1950年、アラン・チューリングは、次のような予言を行いました。

私は、次の問題を考えることを提案する。

「機械は考えることが出来るか?」

この「機械は考えることが出来るか?」というオリジナルな問題は、議論にも値しないほどあまりに意味のないものだと、私は信じている。
 .......
それにもかかわらず、この世紀の終わりには、言葉の使い方と教育を受けた一般の人々の意見は大きく変化して、矛盾しているとは少しも思うことなく、機械の思考について語ることが出来るようになるだろうと、私は信じている。

                             -- Alan Turing 
                                 1950年

チューリングの人々の意識の変化についての予言は、的中しました。
それは、かれの天才的な洞察力を示す素晴らしいものだと思います。

いまでは、誰もが 矛盾しているとはほとんど思わず、 「機械の思考=人工知能」について語っています。ある人たちは、「人工知能」技術を「万能の技術」と信じ始め、ある人々は、機械が人間を凌駕する時代の到来について語っています。「シンギュラリティーがくるぞ」と。そこまで行かなくとも、この数年で、人工知能に対する期待は、IT技術者を中心に、多くの人に共有されるようになりました。

ただ、大事な問題が残っています。
我々は、「考える機械」には、まだたどりつけてはいないということです。

こうした中で、僕は、次のような議論が出ていることに注目しています。

 「日本の労働生産性はRPA(ロボットによるプロセス自動化)とAI(人工知能)で上がる。人間は(生まれた余剰時間で)創造性を発揮できるだろう。これが日本復活のシナリオだ」

ソフトバンクグループの孫正義社長(兼会長)は6月13日、RPAツール大手の米Automation Anywhereが都内で開いたイベント「IMAGINE TOKYO 2019」でそう話しました。

なぜ、注目したかについては、次のメールでお話しします。

次回のマルレクのテーマは、「Yet Another AI (もう一つのAI技術)-- RPAは「推論エンジン」の夢を見るか?」です。来週月曜から受付を開始します。
https://yet-another-ai.peatix.com/

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