新しい「量子の理論」とエントロピー
【新しい「量子の理論」とエントロピー】
「量子力学」と「量子情報理論」の違いについて、物理的世界と情報の世界の違いを中心に書いてきたのですが、一つ強調したいことがあります。
それは、新しい「量子の理論」が、一見すると遠くへだたったもののように見える二つの世界、物理的世界と情報の世界の深いつながり、すなわち、物理的な世界の理解には情報の世界の理解が必要で、情報の世界の理解には物理的世界の理解が必要だということを明らかにしつつあるということです。
物理的世界と情報の世界という二つの世界を結びつける、我々にとって身近な概念が一つあります。それは、「エントロピー」です。
先に、量子力学では、"bit"を扱うことはまずないと書きましたが、それは正確ではなかったかもしれません。量子力学の前身の統計力学では、あるいは統計力学の前身の熱力学では、エントロピーは、中心的な概念でした。そして、シャノンの「情報理論」の登場が明らかにしたように、"bit"は、エントロピーの単位に他なりません。
新しい「量子の理論」が、物理的世界と情報の世界のより深いつながりを明らかにするのなら、既に巨視的・日常的な世界で、物理的世界と情報の世界という二つの世界を結びつけているエントロピーが、量子の世界で果たしている役割を知ることは重要なことです。
「量子情報理論」の重要なコンテンツの一つとして、エントロピー概念の量子の世界への拡張が含まれなければなりません。
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この間、blogに、blogの内容とは無関係な当面のセミナーの内容紹介が混在していましたが、少し整理しました。次のインデックスをご利用ください。
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● 「あまり知られていないかもしれないこと」https://maruyama097.blogspot.com/2021/07/blog-post_26.html
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