「ChatGPTとOpenAIは どう変わろうとしているのか?」の講演ビデオと講演資料を公開しました
【 11月のセミナー「ChatGPTとOpenAIはどう変わろうとしているのか?」の講演ビデオと講演資料の公開です 】 #AIの未来
11月のマルレクはお休みしたのですが、11-12月に、東京を含めていろいろ講演を行いました。今回の情報公開は、それらの講演を「ChatGPTとOpenAIはどう変わろうとしているのか?」というタイトルでまとめたものです。
「ChatGPTとOpenAIはどう変わろうとしているのか?」
https://www.marulabo.net/docs/chatgpt-openai/
いろいろなところで講演はしたのですが、東京で「WiFi難民」になったり、ネット環境がいつもと違って講演はしたものの話しっぱなしで、手元に動画ファイルが残らず困っていました。
ただ、GMOさんで12月に行った社内研究会の動画ファイルの公開を快諾していただきました。助かりました。ありがとうございます。動画は、その時のものです。
【 全体の構成 】
次の四つのパートから構成されています。
● この一年の間にAIの世界で起きたこと
● OpenAI について -- 2023年11月の内紛をどう捉えるか
● 現在の人工知能技術の技術的な焦点 -- AIのマルチモーダル化とカスタム化
● 近未来のAIの展望
以下、各パートの概略です。
2023年11月17日の、OpenAI CEO Altmanの突然の解任は、多くの人を驚かせました。それはOpenAI自身の内部に、AIの進むべき道をめぐって深刻な対立があったことを浮き彫りにしました。
このセクションでは、その背景を次の四つの視点から考えます。
1. OpenAI創設の経緯
2. OpenAIの組織構造
3. 2023年11月 OpenAIに何が起きたか
4. Helen Toner 論文について
今回の激しい対立の導火線となったのは、OpenAIのボードメンバーだったHelen Tonerが発表しようとした論文の内容にAltmanが強く反発したことにあったと言われています。Altmanは、Helenをボードメンバーから放逐しようとしますが叶わず、今度は逆に Helen がIlya Sutskever を仲間に引きいれてAltman をボードメンバーから放逐して、大爆発が起きます。
Helen論文の、「三つのAI論」(軍事的AIと民主的AIと民間セクターのAI)、「AIのdual use論」(AIは軍事と民生の両方で利用されうる)、「底辺への競争論」(AIのリスクを軽視あるいは無視した開発競争)は、今回の対立の背景を理解する上で、重要な概念だと思います。
Helen論文の解説動画へのポインターを次のページにに作成しました。ご利用ください。
https://maruyama097.blogspot.com/2024/01/chatgptopenai.html
- Helen Toner論文
- 「三つのAI」論 -- 軍事的AIと民主的AIと民間セクターのAI
- 軍事的AIと自律型兵器に歯止めはかかっていない
- 軍事と民事との「dual use」の危険性
- 民主的AIの理念の国際的共有の進行
- 民主主義国家と権威主義的国家のAIと国際政治の現実
- 民間セクターのAI -- 「底辺への競争」の危険
- OpenAIの活動への厳しい評価
- まとめ
11月21日のAltmanのCEO復帰をもって、OpenAIはもとの状態に戻ったと思われているかもしれませんが、それは違うと僕は考えています。
OpenAIの最高意思決定機関であるOpenAIのNPOボードは、OpenAI創立の理念である「民主的AI」の理論家 Helenと、創立以来OpenAIのAI研究を主導してきた最高のAI 科学者 Ilya を失いました。
https://www.marulabo.net/docs/helen-toner/
https://www.marulabo.net/docs/personalai/
https://drive.google.com/file/d/1f3zayGvyafSApAAJsvsojrtqSl4vLUAy/view?usp=sharing
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