黒板とチョーク
4年前( 2017年11月13日)のFBへの投稿から
=============================
=============================
30年近く、講義・講演はプロジェクターを使って来た。ビジュアルな情報があった方が、聴く方にもわかりやすいと思うし、話す方はデータが再利用できる。
図1は、先頃亡くなっらVoevodskyの証明の一部(だと思う)https://goo.gl/3y79Zb から。これを、口でしゃべったら、絶対うまく伝わらない。
(ただ、この例は、すごいのだ。僕は、カテゴリー論をちょっとかじったことがあるので二次元のdiagramなら、少しは追えるのだが、Voevodsky は、三次元で証明組み立てている!)
ただ、こうしたdiagramをプロジェクター用に、LaTexで組むのは大変なのだ。(もちろん、根性があればできるし、データは再利用できるのだが)
図2は、Deep LearningのKarpathyが、RNNを使って、Stack Theoryの分厚い教科書を学習させて、数学論文の「モノマネ」をさせたもの。https://goo.gl/FGtFGS (グロタンディックをおちょくってるのかと思うけど、ま、面白いから許す。)
それはさておき、左側は見事に数学論文のマネをしているのだが、右側の上の方を見て欲しい。明らかに、diagramをマネる事に失敗している。ざまあみろだ。
Voevodskyがすごいのは、図1のような証明を、コンピュータにやらせるシステムを作ろうとしていた事。それは、この図を冒頭に掲げた彼の論文 "The Origins and Motivations of Univalent Foundations" https://goo.gl/3y79Zb を読めばわかる。
じゃ、Voevodskyは、論文やプロジェクターではなく、講義をする時には、どうしていたのだろう。
答えは、簡単である。
黒板にチョークで図を書いていたのである。
2011年ごろ、プリンストンの彼の講義のビデオをみて、ディジタル万歳の僕は、ちょっと軽いカルチャーショックを受けた。
でも、黒板とチョークの方が、合理的で効率的なのだ。間違っても、すぐ消せるし、すぐ直せる。横書きはできるけど、縦書きを混ぜることができないコンピュータで、行列や列ベクトルを書くのに、苦労しているのは、なんかおかしい。
Quantum Information Scienceのミーティング IT from Qbit にたくさんビデオが上がっているけど https://www.simonsfoundation.org/.../it-from-qubit-meetings/ 黒板派が圧倒的に多い。
コメント
コメントを投稿