Kripkeの「可能的世界」 4 -- 認識の特徴を表現するモデル

【 Kripkeの「可能的世界」 4  --「認識の特徴を表現するモデル」 公開しました 】

11/26 マルゼミ「認識について考える 2 -- 認識の認識 –」の第二部「認識の発展のモデル」のショートムービーです。ご利用ください。

https://youtu.be/F0OT-wt_21w?list=PLQIrJ0f9gMcPmqWCIYjND28DLB9SwQ_eX

スライドは、https://drive.google.com/file/d/1QmNcUrYTbjz8grIjHshlH0Ij8HRqbq9t/view?usp=sharing からアクセスできます。

【 認識の特徴を表現するモデル 】

Kripkeのモデルが興味深いのは、このモデルにある性質を持つことを要請することで、認識あるいは論理の、いくつかの特徴を記述・表現することができることです。

これまで述べたことと少し重複するのですが、Kripkeのモデル(G,K,R)の特徴を見ておきましょう。Gは「現在の世界」を表します。KはGを始点とするすべての「可能的世界」たちのツリー構造です。Rは二つの可能的世界を関係づける関係です。

このモデル(G,K,R)で、関係Rは、次のような性質を持ちます。

 反射性:HRH

世界Hで我々の持つ情報は,どんなに長い間そこHにとどまっていても、我々がうるすぺての情報であるかも知れません。HRHと考えることが出来ます。

 推移性:HRH’で H’RH’’ なら HRH’’

関係Rの推移性は、直観的に明らかです。
例えば、我々がGからH2に移動し、その後H2からH3に移動したのなら、我々はGからH3に移動したことになります。この時、GRH3 が成り立つことになります。

このモデルに、次の性質を持つことを要請したとします。

 「すべてのAに対して𝜙(𝐴,𝐻)=𝑇 で、HRH’ なら𝜙(𝐴,𝐻′)=𝑇である。」 

この要請は,もし,我々が,HでAの証明をすでに得ているなら,いかなる後であってもAを証明されたものとみなしてよいことを意味しています。

別の言い方をするなら、この要請は、このモデルでは、「我々は、一度知ったことは忘れない」という特徴、すなわち、知識が「累積性」を持つことを表現しています。

ビデオでは、直観主義論理の解釈が、このモデル(G,K,R)で可能となることを紹介したいと思います。

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