Grzegorczykの「科学の探究」モデル 3 -- Forcing Method --

【 Grzegorczykの「科学の探究」モデル 3 -- Forcing Method -- 】

11/26 マルゼミ「認識について考える 2 -- 認識の認識 –」の第二部「認識の発展のモデル」のショートムービーです。ご利用ください。

https://youtu.be/I9QkHVnCO-w?list=PLQIrJ0f9gMcPmqWCIYjND28DLB9SwQ_eX

スライドは、https://drive.google.com/file/d/1GnTR1pquLsA1n5u4tVNTCfps5B1nr_-_/view?usp=sharing からアクセスできます。

【 Forcing  Method 】

情報の集合の上に「半順序」を定義できたので、どのような情報が、論理式を成り立たせるのかを見ていきましょう。情報の集合 𝛼 といっても、アトミックな論理式である命題で表現された情報=命題の集合です。

𝜙がアトミックな論理式の場合、情報 𝛼が論理式𝜙を成り立たせるのは、 𝜙 ∈ 𝛼 が成り立つ場合だけにしましょう。このことを、次のように表現します。

  𝛼 ⊳ 𝜙 ⟷ 𝜙 ∈ 𝛼

左辺の𝛼 ⊳ 𝜙を、「𝛼は𝜙を強制する」と読みます。

もっとも基本的なアトミックな論理式に、情報が論理式を成立させるという「強制」概念を定義できたので、今度は、一般の論理式に対して、「強制」概念を定義しましょう。

基本的には、論理記号で構成される論理式を、部分式に分解して、その部分式についての「強制」の定義を使っていけば、最終的には、先に見たアトミックな論理式の「強制」の定義に帰着します。

以下(スライド)に見る、「強制」の定義は、基本的には、J.P.Cohenが導入した”Forcing Method”と、ほぼ同一のものです。

【 科学の探求の論理は、直観主義論理 】

通常の古典論理では 排中律 𝐴∨~𝐴 が成り立つのですが、Grzegorczykの論理ではそうなりません。

なぜなら、 情報𝛼が与えられている時点で 𝛼 ⊳ (𝐴∨~𝐴) がなりたつことを示すためには、
 𝛼 ⊳ 𝐴 あるいは 𝛼 ⊳ ~𝐴を示さなければなりません。ただ、先の否定の解釈によれば、𝛼 ⊳ ~𝐴 が成り立つことを示すためには𝛼を拡大した全ての情報𝛽において ~𝐴 が成り立つことを示さなければなりません。それは、自明ではありません。

Grzegorczykの構成によれば、科学の探求の論理は、直観主義論理に従うということになります。


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