non-local ゲーム
【 non-local ゲーム 】
「二人がエンタングルした量子を共有する」
CHSHゲームのnon-local 版は、こうした想定から始まります。ただ、この想定に違和感を持つ人も多いと思います。
一つは、「量子を「持つ」ことなんかできるの?」というものです。確かに、ベルの思考実験でもアスペの実験でも、最初に想定され実験されたエンタングルする量子は光の量子である光子でした。光子は、文字通り光のスピードで運動しますので、もちろん手に持つことはできません。
ただ、non-localゲームの想定は、「二人がエンタングルしたボールを共有する」と考えてもいいのです。
光子だけでなく、電子も陽子も中性子もエンタングルします。それは、原子もエンタングルするということです。エンタングルした原子から、エンタングルした分子が作れます。そうしていけば、エンタングルしたボールだってできるはずです。
物理学者のサスキンドは、二つのチームに別れてエンタングルした物質の片方づつを集めていけば、地球大のエンタングルした物質も、太陽系大のエンタングルメントした物体も、ついには、エンタングルメントするブラックホールだって作れるはずだと言っています。この話は、今回のセミナーでサスキンドとマルデセーナの「ER=EPR仮説」の中で紹介しようと思います。
non-local CHSHの前提を「二人がエンタングルしたボールを共有する」と言い換えても、まだ誤解がありそうです。
それは、多分「共有する」という言葉がまずいのだと思います。これだと一つのボールを二人が共有するというイメージが、先に浮かびます。
そうではないのです。ボールは物理的には二つあります。片方のボールをアリスが、もう片方のボールをボブが持っているのです。アリスが自分のボールをツンツンしようが、ボブが自分のボールでキャッチボールしようが、それは自由にできます。
ただ、二つのボールが全く独立かというと、そうではありません。この二つのボールは、相互にエンタングルメントしています。そのうえ、そのつながりは、直接には目には見えません。不思議な関係です。
こうした non-local なCHSHゲームの想定は、量子を対象にした大規模な実験施設でしか検証できないものとしてのエンタングルメントのイメージを大きく変えるものです。それがその後、どのように発展していったかについては、後でみていきたいと思います。
今回のセッションは、計算ばかりで、面白くないかもしれません。ごめんなさい。
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「Bellの定理 (4) -- CHSHゲーム non-local」を公開しました。https://youtu.be/YXWMHMuBW2g?list=PLQIrJ0f9gMcN3x9bET7QoK2YWs8dfsKNa
スライドのpdf
https://drive.google.com/file/d/1IpJEiaBjqGa4K8WDT0YeTresFD4pmTIL/view?usp=sharing
blog:「non-local ゲーム」
https://maruyama097.blogspot.com/2022/10/non-local.html
まとめページ「エンタングルする自然 ver.2 」
https://www.marulabo.net/docs/science-entanglement2/
まとめページ「エンタングルする認識」
https://www.marulabo.net/docs/philosopy/
セミナーへの申し込み URL
https://entangled-nature.peatix.com/view
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