アメリカ高校物理教科書
アメリカで有名な(全米で30%の州で採用され、アジアの高校でも広く利用されているらしい)高校物理の教科書もざっと見て見た。http://www.gakurin.co.jp/pdf/hmhphy.pdf
とてもよくできている。
教科書の最初に、次のような言葉がある。「物理学は、物質とエネルギーと力の科学である。物理学者は、仮説を作り、実験を設計して実行し、世界の理解を助けるモデルを作る。」すぐ、それに続く章は、「実験での観測」になっている。また、物理学の領域として、相対論と量子論があることも、最初に述べられている。
日本の生物の教科書はよくできているのに、物理は、アメリカと比べると(おそらく、アメリカの教科書で学んでいるアジアの高校生と比べても)、見劣りするのは、何故なんだろうと不思議だったのだが。
なんか、その理由がわかったような気がする。
僕がみた物理の教科書は、自分でその「特徴」を三つ挙げているのだが、その第一が「入試に必要な知識が身につきます」となっていた。(図3)
ところが、よくできているなと思った生物の教科書は違う。「新しい生物学を拓く!!」になっている。(図4)
心意気が違うんだ。
これからの世界を、「受験物理」で乗り越えていくのは難しいと思う。若い人の間に、物理科学の知識の広がりがないと、イノベーションなんか起こせないと思うのだが。
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