高校教科書 物理と生物
高校生に、20世紀の科学がどのように教えられているかに、興味があったので、物理と生物の教科書を調べてみた。
もっとも、高校生の履修するカリキュラムの編成は複雑で、物理・生物とは区別されて物理基礎や生物基礎といった科目もあり、選択によっては、まったく物理や生物を学ばなくてもいいようにできているらしい。
それで、利用されている教科書で、一番「厚い」ものをチェックした。以下が、その目次である。(二つとも実教出版社の教科書から。他の出版社の教科書の目次も見て見たが、大きくは違っていないと思う。)
僕が高校生だったのは、50年以上前だが、生物の教科書は、その当時と驚くほど変わっている。もちろん、分子生物学の基礎である「DNA」や生化学的な「代謝」のことも、きちんと取り上げられている。よくできていると思う。
一方、物理の方は、50年前の内容とほとんど変わっていない。新しいのは「シミュレーション科学」という項目ぐらいかな。(ニュートリノもヒッグス粒子も重力波も、「シミュレーション」で見つかったわけではない。)「原子」の年表にも、「量子論」という言葉さえ登場しないのは、残念なことだ。
生物学だけではなく、20世紀に大きく進歩した「情報」技術については、すでに「情報」という科目が設置され、最近では、小学生にもプログラミングを教えようという議論が盛り上がっているのと比べると、物理科目の内容の変化のなさは、奇妙な気がするのだが。
(個人的には、大学生にきちんとプログラミングを教えることが、プログラム教育では、とても大事だと思っている。)
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