なぜ、今、量子コンピュータなのかが、よく分かる記事
それには、John Martinisが率いるGoogleのQuantum AIチームが、今年の春、Nature誌に投稿した次の記事を読むのがいいと思う。
"Commercialize early quantum technologies"「量子技術を早くに商業化する」https://goo.gl/4qee3o
初期段階にある量子技術を、いち早くビジネスの軌道に乗せることの重要性を論じている。Shorのアルゴリズムによる暗号解読が「キラーアプリ」だというような見方は、当然していない。
その応用について、三つの優先分野を上げている。
1. Quantum simulation.
2. Quantum-assisted optimization.
3. Quantum sampling.
2. Quantum-assisted optimization.
3. Quantum sampling.
(短いものなので、全文訳してもいいのだが、商業誌の記事なので、自粛。マルレクで話します。)
3. については、技術的には、同じGoogleのチームの次の論文が重要。
"Characterizing Quantum Supremacy in Near-Term Devices"
https://arxiv.org/pdf/1608.00263.pdf
https://arxiv.org/pdf/1608.00263.pdf
今後数年以内に実用化できる 50 qubit 程度のデバイスで、量子計算の優位性が、はっきり示せるというもの。
あと、来月のはじめに、マウンテン・ビューで開かれる、次のイベントが面白そう。
"Quantum Computing for Business" https://www.q2b.us/
これ行きたかったな。これは、ネットでリアルタイムに流してくれそうもないからな。
Google, Microsoft, IBM, D-Wave の揃い踏み。カルテクのPreskillがキーノートをする。(Preskillのレクチャーノートには、随分、世話になった。http://www.theory.caltech.edu/people/preskill/ph229/ )
ただ、こうした商業化・ビジネス化の流れだけでなく、前回のマルレクで取り上げたような、量子情報理論への大きな理論的関心の高まりが、僕は、本当は、大事なのだと思うのだが。
二つの流れは、通底している。
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